徹底して山形に密着したフリーペーパー

オーヌマホテル再生「地元密着を目指す」——安達新社長に聞く——

2006年10月27日
 山形市の百貨店・大沼のグループ会社「オーヌマホテル」が9月1日に不動産業のリスト(横浜市)との間で事業譲渡契約を締結し、県外資本による新会社「山形オーヌマホテル」として再出発することになった。新会社の社長に就任した安達精治氏(52、写真)は本誌の取材に対し、「山形の自然や風土、歴史を感じさせる地元密着型のホテルを目指したい」などと抱負を語った。発言の要旨は以下の通り。
オーヌマホテル再生「地元密着を目指す」——安達新社長に聞く——
20件目のホテル再生

 一、オーヌマホテルを取得したリストにホテル運営のノウハウはない。私は長年ホテル再生を手がけ、リストから運営を委託された。現在は高崎アーバンホテルなど3ホテルの再生を手がけており、通算すればオーヌマホテルは20件目のホテル再生になる。

100日で黒字を実現

 一、任されたホテルの大半は100日で黒字転換を実現してきた。さらに基本方針として1000日をかけ <1>エージェント比率をゼロに近づける <2>地元客とそれ以外との比率を5対5にする <3>地元密着型のホテルを実現する−−の3点を掲げている。

従業員の質高い

 一、当初は動揺がみられた従業員も私の方針を理解してくれた。従業員のレベルは高く、これまではホテル従業員としての訓練が十分されていなかっただけで、質的には他地域を凌駕している。この人的資源は損なうことなく再生に生かしていきたい。
オーヌマホテル再生「地元密着を目指す」——安達新社長に聞く——
地の利をいかす

 一、オーヌマホテルは駅から遠いなど立地条件が悪いとされるが、逆に言えば中心部の喧騒とは無縁。秋の風物詩である芋煮会場の馬見ケ崎川河川敷に近く、寺町を散策するにも便利だ。ホテル間の競争は激しいが、最も山形を感じさせるホテルを強調することで再生は十分可能だと考えている。


 ( 解説 )凄まじい経歴の持ち主である。
 慶大商卒業後、日本債券信用銀行入行。ホテル経営に関心を持ち、38歳で退社してホテルコンサルタント会社を興す。ホテル再生に携わる傍ら、40歳で経営危機にあった上場会社の暁印刷(現在のヴィア・ホールディングス)社長に就任し、約35億円あった累積赤字を3年で一掃する辣腕ぶりを発揮する。
 42歳の時に米国最大のホームファッション小売のピア・ワン・インスポーツ社の独占販売権を取得するなど、一時は時代の寵児(ちょうじ)として脚光を浴びた。
 暁印刷を退社後、ホテル再生に特化する精文館を設立。一方で早稲田大学の客員教授として自らの経験を生かしたベンチャー起業論を展開する。
 手がけてきたホテル再生の極意はソフト面の充実。山形をいち早く理解し、ホテルの抱えるハンデを逆手に取る戦略も豊富な再建ノウハウの一つなのだろう。オーヌマホテルの今後に注目したい。