徹底して山形に密着したフリーペーパー

真理子先生の女性のミカタ/電子たばこ

2017年12月8日
 妊娠前に心がけていただきたいことの第1は禁煙。最近は「大丈夫、電子たばこに変えましたから」とおっしゃる方もいますが、敢えて言えば、それは喫煙と同じです!
※最初におことわりしておきますが、現在出回ってる〝アイコス〟〝ブルーム・テック〟〝グロー〟は「燃焼式たばこ」と呼ばれるもので、厳密な意味で「電子たばこ」とは別物。ただ、読者のみなさんの混乱を避けるため、ここでは電子たばことして話を進めます。
真理子先生の女性のミカタ/電子たばこ

喫煙と同じです! 

 電子たばこにはタールや一酸化炭素こそ入っていませんが、実はニコチンがたっぷり含まれており、「ニコチン依存症」という症状は変わりません。通常の紙巻きたばこを電子たばこに変えたという安心感があるだけで、かえって禁煙の機会を奪うことになるという指摘もあります。
 さらに電子たばこは害がないと誤解し、興味本位で吸ってみる非喫煙者もいるでしょう。 

受動喫煙も変わらず

 電子たばこの弊害は吸っている本人にとどまりません。「電子たばこは副流煙(ふくりゅうえん)が出ない」などと喧伝(けんでん)されていますが、喫煙者の口腔内や気道に残ったニコチンや発ガン物質を含んだエアロゾル(空気中の微粒子)は喫煙者の呼吸で吐き出され、周囲2メートルにも拡がります。側にいる人はたまったものではありません。
 エアロゾルは目には見えず臭いこそありませんが、煙草の副流煙と何ら変わりありません。

アヘン戦争の構図

 悲しかったのは、ある外国の電子たばこが最初に発売されたのが、その国ではなかったこと、そして最初に発売された2つの国の1つが日本であったことです。これを聞いて、19世紀のアヘン戦争を想起してしまうのは私だけでしょうか。
 神奈川県が全国に先駆けて成立させた「受動喫煙防止条令」、1日も早く山形でも制定されることを願ってやみません。


真理子先生の女性のミカタ/電子たばこ
真理子先生の女性のミカタ/骨粗しょう症~番外編~
院長 伊藤真理子
プロフィール

(いとう・まりこ) 1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。