真理子先生の女性のミカタ/大切な葉酸
2017年11月10日
妊娠を計画している方や、妊娠初期の方に摂取を心がけていただきたい栄養素が「葉酸」です。
ビタミンBの一種
葉酸はビタミンBの一種で、ホウレンソウやブロッコリー、イチゴ、レバー、納豆などに含まれる栄養素です。研究の結果、葉酸を十分に摂取すれば「無脳症(むのうしょう)」や「二分脊椎症(にぶんせきついしょう)」など赤ちゃんの「神経管閉鎖障害」のリスクを低減できることが分かっています。

妊娠をお望みなら
赤ちゃんの脳や脊髄(せきずい)をつくる神経管は妊娠の2~6週という初期に形成されます。
このため、妊娠反応が陽性に出る妊娠4週以降にあわてて葉酸の摂取に努めても効果は微妙。ぜひとも妊娠を計画し始めた時から心がけたい習慣でしょう。
怖い神経管閉鎖障害
無脳症は脳がつくられないので、残念ながら生きることは難しい病気です。また二分脊椎症は脊髄に異常をきたし、運動機能に問題が出ることが多い病気です。
これら神経管閉鎖障害をもって生まれてくる赤ちゃんは1万人に6人ぐらいの割合だと報告されています。
厚労省も摂取を推奨
一般女性の場合、摂取が必要な葉酸の量は妊娠前の方で1日0・24ミリグラム、妊娠中の方は0・4ミリグラムとされています。
ただ葉酸は水や熱、光に弱く、調理の過程で失われてしまいがち。このため、厚生労働省では2000年から、通常の食事以外に1日0・4ミリグラムをサプリメント(栄養補助食品)などの利用により摂取することを推奨(すいしょう)しています。
葉酸に加え、妊娠中に必要なカルシウムや鉄分、ビタミンなどを含むサプリを選べば最強でしょう。


院長 伊藤真理子
プロフィール
● (いとう・まりこ) 1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。
プロフィール
● (いとう・まりこ) 1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。