女性の美と健康/不眠症(上)
3人に1人が不眠症
不眠症とは睡眠障害の一種です。不眠症という病名はよく耳にされると思いますが、日本では成人男女の3人に1人が何らかの不眠症状を持っているとされています。
特に多いのが女性と高齢者で、80歳以上女性の場合、約20%の人が医師から処方された睡眠薬や市販の睡眠薬を服用しているようです。

症状に4タイプ
不眠症には、症状や原因によっていくつかの分類のしかたがあります。
症状でみますと、(1)床についてもなかなか眠れない「入眠障害」(2)眠れるものの夜中に何度も目が覚める「睡眠維持障害(中途覚醒)」(3)朝早く目が覚め、そのあと眠れない「早朝覚醒」(4)ぐっすり眠った気がしない「熟眠障害」――の4タイプに大別されます。
原因も様々
原因で分類しますと、(1)眠れないという先入観や不安感、恐怖感が不眠を招く「精神生理性不眠症」(2)試験前夜や金銭トラブル、人間関係など様々なストレスによる「適応障害性不眠症」(3)様々な病気が原因の文字通り「身体的疾患に伴う不眠症」(4)精神的な疾患が原因の文字通り「精神疾患に伴う不眠症」――などがあります。
カフェインは控えめに
原因としてはこれ以外にも薬物の副作用があります。ここでいう薬物にはコーヒーや日本茶などに含有されているカフェインも含まれます。
カフェインには交感神経を刺激して精神を高揚させる作用があり、特に睡眠前のカフェイン摂取は安眠を妨げるといわれています。 次号では不眠症の対策についてお話しします。


セントラルクリニック院長
村山 一彦
プロフィール
●(むらやま・かずひこ)1956年山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。