徹底して山形に密着したフリーペーパー

戸田書店山形店 店長 笠原 裕介さん

2017年8月11日
笠原 裕介(かさはら・ゆうすけ) 1979年(昭和54年)山形市出身。山形中央高から東北福祉大社会福祉学部に進み、卒業後、書店でのアルバイトを経て2005年に静岡市が本社の戸田書店入社。同社三川店、新潟南店、秋田店で勤務した後、07年の山形店オープン当初から現職。夏場には怪談に関するブックフェアやイベントを仕掛け、業界筋で「怪談店長」の異名で知られる。38歳。
戸田書店山形店 店長 笠原 裕介さん

逆風下にある書店の運営
 独自の「怪談本」で存在感発揮

――この時期の戸田書店山形店といえば、怪談本の品ぞろえが有名で。

怪談本の品ぞろえに定評

 「今年も9月2日に山形市の黒木あるじさん、宮城県涌谷町の郷内心瞳(ごうないしんどう)さん、気仙沼市の小田イ輔さんの怪談作家3人を招いて『みちのく怪談会』を開催します。確かに、怪談のイベントやフェアは夏場に仕掛けることが多いんですが…」
 「最近は全国的にもちょっとした怪談ブームで、季節に関係なく通年で怪談本は売れてます。やはり東日本大震災をきっかけに、亡くなった人と生きている人をつなぐ物語として怪談にスポットが当たってるような」
――怪談本に力を入れるようになったのは?
 「個人的にも興味があったので開店当初からですが、本格的に取り組むようになったのは遠野物語の刊行100周年の2010年からですね」
 「あの年に仙台の出版社・荒蝦夷(あらえみし)が『みちのく怪談プロジェクト』を展開し、新刊本や復刻本が続々と出版されたことがきっかけです」
――おかげで「怪談店長」として全国に知られるようになって(苦笑)

異名は「怪談店長」

 「名付け親は文芸評論家で怪談専門誌「幽(ゆう)」の当時の編集長で、現在は編集顧問の東雅夫さん。ただ怪談にもいろんなジャンルがあって、それぞれに専門家もいるのに、ボクなんかでいいんですかね(苦笑)」
――どんなジャンルが好きなの?
 「う~ん、作家が体験者から聞いた話を本にした『実話怪談』かなあ」
――怪談とか、幽霊とかって信じる?
 「こればっかりは分かりませんからねえ。個人的には(幽霊は)いればいいな、見れたら面白いなと(苦笑)。いつか目撃者や体験者になりたいという憧れはあります」
――そんな怪談店長の趣味とかって?

趣味は野鳥観察

 「仕事以外でですか?意外に野山に行って動物とか鳥とかを観察するのが好きなんですよ。つい最近、『日本野鳥の会』の山形県支部に入会を申し込んできました」
――店は今年が10周年と伺いました。
 「開業当初は嶋地区も今ほどにぎわってなくて苦戦、地区が発展するようになった2012~13年が売り上げのピークで、その後は活字離れの影響か今いちですね」

山形店に愛着

 「だけど、好きな本に関われる仕事は楽しい。店長として同じ店に10年務めるのは珍しいケースで、本部から別の店に行けと言われれば従いますが、山形店には思い入れもあります。怪談を通じていろんな人とのつながりもできましたし」