女性の美と健康/痛風
尿酸値の上昇が原因
痛風は、暑さによる発汗などで体内の水分が奪われ、血液中の「尿酸」の濃度が上昇することで発症します。尿酸の材料は細胞内の核に含まれる「プリン体」で、尿酸はプリン体を分解した際に生じます。
その尿酸が尿として体外に排泄(はいせつ)されれば問題はないのですが、排泄されずに血液中の濃度が高まれば「高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)」になり、放置しておけば足、手、腕などの関節に激痛が走る痛風の発作が現れます。

魚卵は無実です
痛風で“悪役”とされることが多いプリン体ですが、プリン体を多く含む食品群が誤解されているのも事実。まず、鶏卵、イクラやタラコ、スジコといった魚卵、チーズ、バターなどにはさほど含まれていません。
意外だと思われる人は、おそらくコレステロールとプリン体を同一のものと理解されていたのでしょう。
逆にカツオ節は危険
逆に、プリン体が多いのは鳥レバー、イワシの干物、白子、アンコウの肝、カツオ節、煮干し、干しシイタケなど。巷間(こうかん)いわれる“痛風はぜいたく病”というのは大きな誤りなのです。
充分なカツオ節で出汁をとった味噌汁などはプリン体のかたまりとお考え下さい。
生活習慣の改善
また痛風は生活習慣によっても発症します。具体的には肥満、アルコールの飲みすぎ、過度な有酸素運動、ストレスなども痛風の原因になります。
痛風にならないための対策としては、プリン体の摂取を控えること、生活習慣を改善することのほか、大変ですが1日3リットルの水分を取り、2リットル以上の尿を出すよう心がけましょう。


セントラルクリニック院長
村山 一彦
プロフィール
●(むらやま・かずひこ)1956年山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。