徹底して山形に密着したフリーペーパー

Let's know 脳!/片頭痛(下)

2017年6月9日
 2001年の世界保健機関(WHO)の報告では、片頭痛は「仕事や日常生活に支障を来たす疾患」の第19位(女性では第12位)に位置づけられています。片頭痛は生活習慣病ともいえますが、日常生活の支障や影響が大きいとされています。

日常生活にも支障が

 「片頭痛が日常生活に及ぼす影響に関する調査」では、約74%が頭痛により著しく生活の質が低下しているとしています。にもかかわらず「片頭痛のために仕事や社交を休むか」という問いに対しては、68%が「仕事や社会生活を犠牲にすることはない」と答えています。
 つまり、この調査結果では「寝込みたいのを我慢して仕事や社会活動を行っている」という片頭痛患者の現状が浮き彫りになっています。

Let's know 脳!/片頭痛(下)

我慢の代名詞・おしん

 我慢といえば日本人の美徳とされ、特に山形人の我慢強さは全国屈指といわれます。そのことはNHK連続テレビ小説「おしん」でも広く知られるようになりました。
 なお、昨今は空前の相撲ブームですが、その火付け役は横綱・稀勢の里。その稀勢の里の育ての親といえば元横綱の故・隆の里で、糖尿病に苦しみながらも横綱に上り詰めた同親方は当時「おしん横綱」と呼ばれたものでした。

社会への影響も

 閑話休題。我慢は必ずしも美徳ではないケースもあります。ツラい片頭痛を我慢することは患者個人の問題にとどまらず、社会に与える影響も少なくないのです。
 つまり、我慢して仕事を続ければ能率は下がり、組織の生産性はダウンします。最も大きな影響は医療費で、慢性化した片頭痛の医療費は月1~2回の片頭痛に比べ2~3倍に膨らむという試算もあります。
 生活の質を向上させ、健やかな社会生活を送るためにも、片頭痛の予防や治療などの対策は必要なことだと考えます。


Let's know 脳!/片頭痛(下)
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TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師
佐藤 篤
プロフィール
(さとう・あつし)2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。