徹底して山形に密着したフリーペーパー

女性の美と健康/乳がん(中)

2017年5月26日
 前回は乳がんの自己検診について解説しましたが、早期発見のカギを握るのは何といっても医療機関による検診。ただ、国が勧めるマンモグラフィー(乳房エックス線撮影、以下マンモ)に限界があるのも事実です。

高濃度乳房

 結論から申しますと、マンモでは異常をみつけにくい乳房のタイプがあるのです。その乳房のタイプとは「高濃度乳房」と呼ばれるものです。
 一般に、乳房の中には母乳を作る乳腺が張り巡らされています。その乳腺の密度が高い順に「高濃度乳房」「不均一高濃度乳房」「乳腺散在乳房」「脂肪性乳房」の4段階に分類されますが、日本人女性の5~8割が高濃度乳房と不均一高濃度乳房とされます。

女性の美と健康/乳がん(中)

マンモの限界

 実はマンモの画像では乳腺の密度が高いほど白く映ります。腫瘍(しゅよう)のシコリ(乳がん)も白く映るため、乳腺の白いかげに隠れて乳がんも見つけにくくなってしまいます。
 つまり日本人女性の5~8割はマンモには不向きというわけです。

有効なエコーとの併用

 となると、マンモだけの検診では心もとないということになりますよね。そこで昨今、注目されているのがマンモと超音波検査(エコー)との併用です。
 エコーでも乳腺は白く映りますが、乳がんは黒く映ります。実際、国が40歳代の女性7万6000人を対象に大規模調査を実施したところ、マンモだけに比べマンモ・エコーの併用だと乳がん発見率は1・5倍になっています。

エコー費用は自己負担

 ただ、マンモ・エコーの併用で乳がんを発見する比率が高まったとしても、死亡率を減らせられるかどうかは別問題。
 医療費抑制の観点からも国はエコーを推奨するわけにもいかず、一部の自治体を除き、エコーは全額自己負担となっているのが現状です。


女性の美と健康/乳がん(中)
プロフィール

セントラルクリニック院長
村山 一彦
プロフィール
(むらやま・かずひこ)1956年山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。