女性の美と健康/過敏性腸症候群
原因はストレス
IBSの原因として広く指摘されているのがストレスです。実は、脳と大腸は密接に〝連絡〟を取り合っており、脳がストレスを感じると大腸の消化管運動や分泌機能をつかさどる自律神経に乱れが生じ、様々な症状を引き起こすわけです。
なにかとストレス社会の現代、日本でIBSの潜在患者は5~10人に1人と推定されています。いわば現代病で、年代別では20~30代が最も多いといわれています。

最も多いのが下痢
その症状ですが、大別して「慢性下痢(げり)型」「不安定型」「分泌型」「ガス型」の4タイプに分類されます。慢性下痢型はストレスや不安を感じると下痢を引き起こす症状で、このタイプが最も多いとされています。
テストが近づいてきたり、いざ会社に行こうと思うとトイレに行きたくなる人はこのタイプで、「神経性下痢」の別名もあります。
オナラが出る症状も
不安定型は腹痛や腹部の違和感、下痢と便秘が交互に繰り返すといった症状で、「交代制便通異常」とも呼ばれます。
分泌型は強い腹痛の後、大量の粘液が排泄(はいせつ)される症状です。ガス型とは、オナラが出てしまうという不安から意識がそこにばかりいってしまい、逆に余計にオナラが出てしまう症状です。
気持ちを楽に
IBSへの対処法ですが、何よりもストレスをためないことが1番。十分な睡眠や規則正しい食生活を心がけるほか、1日1回でもいいので複式呼吸をしたり、瞑想(めいそう)したりして気持ちを楽にすることを心がけましょう。
それでも改善しない場合は治療できる薬もありますので、1人で悩まず医療機関を受診することをお勧めします。


セントラルクリニック院長
村山 一彦
プロフィール
●(むらやま・かずひこ)1956年山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。