灯油価格が急上昇

編集長、12年ぶりの安値だって言ってましたよね。
出足は12年ぶり安値
「言いました、言いました(苦笑)。だって2カ月前の時点では実際に安かったんだよ。それでもあの時点で『昨年のパターンとは違い、今年は上がっていきそうだ』とも指摘しておいたよね」
「山形市周辺で灯油配達価格の目安になるのは、石油販売会社「ジャオ」と山形市消費者連合会の間で決まる価格で、2カ月前はホームタンク用は1リットル59円に決まった。去年より14円安く、水準として12年ぶりの安値だった」
「それが11月5日に62円、12月5日に70円、12月19日に76円と急激に値上がりしている。12年ぶりの安値どころか、70円前後だった去年より高くなっちゃってるよね。結果としては俺の予想通りの展開になったわけだ、エッヘン」
どうして値上がりしているんですか?

原油価格が上昇
「灯油の原料になる原油価格が上昇しているからだよ。日本は原油のほぼ100%を輸入に依存していて、輸入した原油を国内で『精製』して灯油にしているんだ。その原油が安かったから灯油も安かったんだね」
「だけど原油安に悲鳴をあげた生産国が、何と15年ぶりに減産することを決めたんだよ。資本主義の原理として、供給量が減れば価格は上がるわけで、原油価格は現在も上昇中だ」
そうだったんですね。
円安も影響
「ここまでは俺も見通してたんだよ。だけど誤算だったのは米国の大統領選挙。大方の予想に反してトランプが次期大統領に決まり、それからというもの、為替市場で円安が進んでいるんだ」
「さっきも言ったように原油はほぼ100%輸入だから、円安だと輸入価格はさらに上昇することになる。それやこれやで、この先も灯油価格の上昇は続くとみられる」
エー! エー!
ガソリンや軽・重油も
「今は灯油に絞って話をしてるけど、原油を精製してできるのは灯油だけじゃなく、ガソリン、軽油、重油といった『石油製品』が併産される。だから灯油と同様、他の石油製品も原油高の影響を受けることになる」
「ガソリンの値上がりは年末年始の帰省に車を使うドライバーを直撃するし、トラック燃料に使う軽油の値上がりは物流費にも影響しかねない。重油の値上がりはハウス栽培の農家や、漁船を使う漁師さんたちにも頭の痛い問題になってくる」
エラいことになってきましたね。