徹底して山形に密着したフリーペーパー

やまがたファーム 代表理事 丹野 雅彦さん

2016年10月28日
丹野 雅彦(たんの・まさひこ) 1956年(昭和31年)山形市生まれ。上山農業高(現在の上山明新館高)卒業後、コメ・野菜・果実を栽培する大郷地区の実家で就農。2005年に仲間の農家8人と「農事組合法人やまがたファーム」を設立、地区の休耕田や転作田での耕作を請け負う傍ら、08年には産直施設「おおさとひろびろ直売所」を開設するなど、これからの農業の可能性を探る活動を続けている。59歳。
やまがたファーム 代表理事 丹野 雅彦さん

荒廃田の増加に歯止め
 地域の転作を担う組織に

――農業で先進的な取り組みをされているとか。

農地借りてコメづくり

 「実家はもとはコメが主力だったんだけど、就農して2年後から減反が強化になった。それでハウス栽培の野菜を増やしていったんだね。野菜は大郷地区(おおさとちく)の15人ほどで作る漬物用の中長ナス『蔵王サファイア』がヒットして、しばらくはコメとナスの2本柱だった」
 「転機になったのは35歳の時に仲間3人と共同でライスセンターをつくったこと。ライスセンターっていうのは刈り取った稲の乾燥、調整(もみすり、選別)、出荷を行う施設のことで、これができてから耕作を頼まれるようになった」
――頼まれる?
 「減反や後継者難で、農地はあるけど自分では耕作できないって人が出てくるわけさ。それで45歳を過ぎたあたりからナスを大幅に減らしてコメに絞った。今では約120人から農地を借りてコメつくってんの」
――1人で、ですか?
 「去年から弟が手伝ってくれるようになったけど、基本は1人だね」
――「やまがたファーム」っていうのは?

8人の仲間を結集

 「私と同じように農地を借りて大豆や小麦なんかの転作作物をつくってた農家が同じ地区にいたんだね。みんながまとまれば大型機械を導入したり作業を交代制にしたりもできるだろうと、当時30~50代のメンバー8人で設立したのがやまがたファームです」
 「耕作を請け負っている農地は約30ヘクタール。つくっているのはコメや大豆、小麦のほか枝豆、そば、菜の花など。発足して11年がたち、社員2人も雇用してようやく組織の体をなしてきたかな(笑)」

直売所で地域活性化

――直売所も展開してるんですよね。
 「自分たちの収穫分のほか、周辺農家の会員140人がその日の朝にとれた新鮮な野菜、果実を出荷してくれる。消費者にも喜んでもらってるし、地域活性化につながってると思う」
――これからの展望を聞かせてください。
 「コメに関しては2年後に国の減反政策は廃止になるけど、放っておけば過剰になるのはこれまでと同じ。TPPの行方も不透明。そんな状況の中で農業従事者の半分以上が70~80代なのよ」

強固な組織づくりを

 「そんなんで休耕田や転作田は今後も増えていかざるを得ない。これ以上、荒廃田を増やさないためにもわれわれのような受け皿が必要になる」
 「それに備えて強い組織づくりや、実際の耕し手となる就労者をしっかり確保・育成していくのが今後の課題だろうね」