女性の美と健康/更年期障害(5)
治療法は3つに大別
治療法は大別すると(1)ホルモン剤投与や漢方薬による薬物療法(2)カウンセリングによる心理療法(3)自律訓練法や運動療法などその他――の3つがあります。

主流はホルモン剤投与
このうち主流になっているのが薬物療法のホルモン剤投与です。これまでに述べましたように、更年期障害は女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減ることで発症しますので、エストロゲンを投与して症状を緩和しようというものです。
その方法もエストロゲンを単独で投与するやり方と、エストロゲンとプロゲステロンを合わせて投与するやり方の2通りがあります。
副作用の指摘も
更年期障害の治療法としてホルモン剤投与は最も有効とされていますが、副作用が指摘されているのも事実です。
副作用として過去に乳がんリスクが取り沙汰されたことがありますが、その後の専門機関による研究により乳がんリスクは見直されています。
現在も指摘されている副作用としては不正出血、下腹部の痛み、子宮がんリスクなどです。
サプリメントにも注目
ホルモン剤投与と副作用を巡って様々な意見がある中で、サプリメント(栄養補助食品)にも注目が集まっています。各科の専門家が執筆し、医師のバイブルとも言われる「今日の治療指針」にもサプリメントが登場するようになりました。
大切な「説明と同意」
忘れてはならないのはわれわれ医師は患者さんに治療法をよく説明し、納得をしていただいたうえで薬を処方する「インフォームド・コンセント(説明と同意)」が大切だということです。


セントラルクリニック院長
村山 一彦
プロフィール
●(むらやま・かずひこ)1956年山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。