女性の美と健康/更年期障害(1)
45歳~55歳が該当
そもそも更年期とは何歳ぐらいのことを指すのかと言えば、一般的には月経が終わる「閉経」をはさんだ前後10年が該当します。
多くの場合、40歳を過ぎたころから卵巣機能は徐々に低下し、やがて閉経を迎えます。平均な閉経時期は50歳前後ですので、おおむね45歳~55歳が更年期ということになります。

女性ホルモンが欠乏
そして更年期に生じる様々な症状のことを更年期障害と呼んでいます。
更年期に入り卵巣機能が低下すると、女性ホルモンであるエストロゲンの欠乏、特にエストラジオールの欠乏によってホルモンのバランスが崩れ、このことによって引き起こされる症状のことを指します。
あらわれる様々な症状
具体的な症状は、脈が速くなる、動悸、腹痛、微熱、生理不順、目まい、耳鳴り、肩こり、のぼせ・ほてりなどのホットフラッシュなど実に様々です。
ホルモンバランスの崩れによって様々な症状が出ると言う点では「自律神経失調症」と類似しているともいえます。
見極めが困難な病気
以前、厳密には自律神経という病気はなく、その裏には違う病気が潜んでいる可能性があると紹介させていただきましたが、同様のことは更年期障害にも当てはまるかと思います。
つまり、医療機関にとっては診療が難しく、患者さんにとってはどの医療機関に診てもらえばいいのかの見極めが難しいというところです。
初期症状に多い手のこわばりや関節の痛みからリウマチを疑い、整形外科医を受診するケースも多いようです。


セントラルクリニック院長
村山 一彦
プロフィール
●(むらやま・かずひこ)1956年山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。