徹底して山形に密着したフリーペーパー

《おしえて!編集長》 競争激化 食品スーパー

2016年5月13日
 大手食品スーパーの出店競争がここにきて激しさを増しているようです。ヤマザワ(山形市)、おーばん(天童市)、ヨークベニマル(福島県郡山市)、マックスバリュ東北(秋田市)の大手4社によるシェア攻防戦。最新情報を教えて、編集長!
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4社の勢力争いは昨年10月9日号でも特集しましたよね。

おーばん上山店が開業

 「もう半年以上も前だね。その後の動きとなると、まず4月5日、上山市美咲町におーばん上山店がオープンした。同社はこのところ2年に1店のペースで新規出店を続けていて、次は天童市久野本を計画してる。天童市乱川にある天童北店はスクラップ&ビルド方式で閉鎖する予定だ」

《おしえて!編集長》 競争激化 食品スーパー

 「上山はひところヤマザワ上山店の金城湯池だったんだけど、2012年にヨークを核とするヨークタウン上山、15年には東北初出店となるコストコ上山倉庫店まで進出してきた。それに加えておーばんだから、人口3万2000人足らずの上山市は明らかにオーバーストア状態だ」

そうですよね。

シワ寄せカミンに

 「そのあおりで上山市中心部の複合型商業施設『カミン』で営業していた食品スーパーのウエルは3月末で廃業を迫られ、カミンの商業施設を運営していた上山二日町ショッピングセンター協同組合は4月26日に自己破産に追い込まれた」
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 「『カミン』そのものは上山市も出資する第三セクターだから、空洞化した施設を今後どうするかについて上山市も頭の痛いところだろう」

ヨークの攻勢も目立ちましたね。
《おしえて!編集長》 競争激化 食品スーパー

ヨークは落合町に

 「山形市浜崎の大野目店を閉じ、落合町に新店を出すことがほぼ確定した。この計画は前回の特集の時に俺も匂わせて書いたんだけど、実は諸般の事情で9割方難しいと思ってたんだよ。それが紆余曲折を経ながらも実現しちゃったもんだから、ほんとにビックリポンだぜ(苦笑)」
 「改めて計画を説明しておくと、落合町の市総合スポーツセンターの北側一体4万1000平方メートルを開発し、ここに店舗面積4300平方メートルの落合店(仮称)と5300平方メートルのテナント棟を建設する。オープンは早ければ来春で、それと同時に大野目店は閉鎖するとみられる」

ヨークは同時に山形市下条町にも出店するとか。

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下条にもヨーク

 「こっちもビックリポン。だって出店場所って去年12月まで営業してたヤマザワ下条店の跡だぜ。業界の常識だと滅多にないケースだ。それに新規出店を決めてる落合店とも近いし、オープン時期も重なるだろうから、最初に分かった時は『嘘だろ~?』って信じられなかったよ」
 「まあヨークとしてはライバルのヤマザワの旗艦店である北町店を挟撃する狙いがあるんだろう。ライバル跡地への出店は、ヨークにしてはしてやったり、逆にヤマザワにとってはツライところだわな」

《おしえて!編集長》 競争激化 食品スーパー

そのヤマザワはどういう戦略なんでしょうか?

ヤマザワ、県内では防戦

 「来年2月末までの県内出店は村山市楯岡が決まってる。3月に大規模小売店舗立地法上の手続きも終えており、11月のオープンを目指してる。ただ楯岡新町にある既存の村山店とは約1キロの至近距離で、ある程度の自社競合は避けられないんじゃないかな」
 「県内で先行するヤマザワは主要どころには出店済みだから、どうしたって他社に攻め込まれる構図になるのは止むを得ない。その分、仙台圏への出店にシフトしてるよね」

自社競合といえば、マックスバリュ東北が出店を計画している山形市南三番町も既存の青田店に近いですよね。

《おしえて!編集長》 競争激化 食品スーパー

マックスは新業態

 「直線距離で680メートルだ。だから『マックスバリュ』の業態じゃなく、酒田市と尾花沢市の2カ所で展開しているディスカウント店『ザ・ビッグ』の業態になるのかなとも思ったんだけどね」
 「それが同社の4月20日の発表によると、都市型小売店『エクスプレス』という業態になるらしい。売り場面積は約600平方メートルと標準的なマックスバリュの3分の1程度で、商品を絞り込んで高齢者や少人数世帯を狙うんだってさ。気になるオープンは9月らしい」

村山地区3店閉鎖

マックスバリュは村山地区の3店をスクラップするとか。

 「村山店が5月末、河北店と東根温泉店が6月末の予定で、いずれも店舗の老朽化と今後の採算が見込めないことを理由に挙げてる」
 「ドラスティックな決断だけど、同社の前2月期は3期ぶりの黒字で、今期も黒字の見通しだ。初の女性社長も誕生するみたいだから、負の遺産は処理して反転攻勢を狙うんだろうな」