女性の美と健康/漢方薬とは(4)
漢方医学と西洋医学
西洋医学は体を部分的にとらえ、症状や病気の原因を治療しようとします。これに対し、漢方医学では体をひとつのものとしてとらえ、人間が本来持っている生命力や自然治癒力を引き出そうとするところに相違点があります。

「五臓論」とは?
さらに具体的に申しますと、漢方医学には「五臓論」という考えがあります。人間の体は肝臓、心臓、脾臓・肺、腎臓の五つの臓器で成り立っており、これら五臓がバランスよく円滑に活動することで健康が保たれるという考え方です。
逆に、五臓のどこかに不調が生じると体がうまく機能せず、病気になってしまうと考えるのです。
互いに助けあう五臓
西洋医学においても同じ5つの臓器が存在しますが、どちらかといば解剖学的な分類で、漢方医学ではそれぞれの働きや機能によって分類しているのが特徴といえます。
さらに漢方医学では、五臓はバラバラに独立しているのではなく、お互いに助けたり、助けられたりしてバランスをとっていると考えます。
五臓のどこかに不調が生じると特徴のあるサインが現れるとし、それを見逃さないように心がけるのが漢方医学における「五臓論」です。
規則正しい生活が大事
五臓が不調に生じるのにはいくつかの原因が考えられますが、漢方医学で特に重視するのが「内因」。つまり、規則正しい日常生活を送っていれば不調は生じにくいとされます。
ただ世知辛い昨今、何かと溜まるストレス、睡眠不足、飲みすぎ・食べすぎ、過度なダイエットなどで五臓に負担はかかりがち。そんな時が漢方薬の出番なのでしょう。


セントラルクリニック院長
村山 一彦
プロフィール
●(むらやま・かずひこ)1956年山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。