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《おしえて!編集長》 タマゴに異変!?

2016年1月22日
 皆さん、タマゴって大好きですよね。スーパーの特売の目玉といえばタマゴだし、やまコミで提供する読者プレゼントの中で応募が殺到するのもタマゴ。そんなタマゴに何やら異変が生じているんですって。教えて編集長!
《おしえて!編集長》 タマゴに異変!?

タマゴに異変って、何が起きてるんですか?

おでんの具でも人気

 「まあ、そうあわてないで。でも俺も含め、みんなタマゴって好きだよねえ。コンビニがおでんを売り出して久しいけど、具の人気ランキングではどこのコンビニでもタマゴは2~3位。ちなみに不動の1位はダイコンなんだって」
 「そんな人気のタマゴだからスーパーでも特売の常連。タマゴが高いと他の肉や野菜も高いと消費者に思われるから、スーパーもタマゴには特に気を使ってるらしい」

ふ~ん

物価の優等生

 「一方で庭先で鶏を飼ってるような零細な生産者は減り、企業養鶏と呼ばれる大規模な生産者が増えてる。供給も安定してさほど値上がりすることもなかったから、タマゴは『物価の優等生』と言われてきたんだ」

《おしえて!編集長》 タマゴに異変!?
でも最近は特売も減ってるような…。

実は20年ぶりの高値

 「おっ、鋭い!実は異変ってそこなんだ。さっきも言ったように消費者を意識してスーパーはさほど値上げできないけど、スーパーが仕入れる価格や、スーパーに納入している業者の仕入れ価格は大幅に値上がりしてるんだよ」
 「こうした『中間流通価格』の上昇傾向は2年前から続いていて、去年の平均価格は水準としては20年ぶりの高値なんだって」

ヒェー!

 「その影響でキューピーなどは昨年末、タマゴを使った業務用加工品を値上げした。このままだとマヨネーズも値上がりしちゃうかもね」

どうしてそういうことになったんですか?

エサ代が高騰

 「ひとつは鶏のエサ代の急騰だ。鶏のエサは外国から輸入するトウモロコシが多いんだけど、アメリカあたりではトウモロコシをバイオ燃料に使うケースが増えていて、エサにまわるトウモロコシが減ってるらしい」
 「トウモロコシの値段そのものが上がっていることに加え、円安もあるから必然的に輸入価格は上がっちゃうよね。それやこれやでエサ代は2年前に比べて2~3割高く、10年前と比べると5割も高いんだって」

生産コストが上がってるわけですね。

《おしえて!編集長》 タマゴに異変!?

コレステロールも安心

 「それだけじゃなく需要も伸びているんだ。タマゴってホラ、おいしいけどコレステロールが上がるってイメージがあっただろ。それが、俺も知らなかったんだけど最近になって、タマゴをいくら食べてもコレステロールは上がらないことが分かったんだって」

その話、私は知ってましたよ。

今年も高値続く?

 「知る人ぞ知る話みたいだね(苦笑)。で、控えてた人も気にせず食べるようになってるらしい。コンビニのおでんタマゴも人気だし」
 「例年のパターンで年明け後は若干安くなったけど、生産コストの上昇と需要増の構造は変わらないから、今年も高値が続きそうなんだって」

雪も降っておでんが恋しくなるんですけどね。


《山形のタマゴ事情》

《おしえて!編集長》 タマゴに異変!?

山形のタマゴ事情ってどうなんですか?

 「タマゴを産む鶏の数は全国に約1億3000羽いて、日本の人口とやや等しい。つまり1人当たり1羽が必要ということになるよね」
 「一方、山形で飼われてる鶏は53万羽と東北では極端に少ない。東北で最多は青森の491万羽、岩手、宮城、福島は300万羽台、秋田にも178万羽いる」
 「つまり山形を除く各県には人口以上の鶏がいて、消費量を生産量が上回っているわけだ。逆に山形は消費量に生産量が追いつかない。足りない分は他県から調達するしかない」

どうしてそうなったんですか?

 「企業養鶏に適した平野が少ないことが最大の理由とされている。あと青森の八戸市や宮城の石巻市なんかには大規模なエサ工場が林立してるけど、山形にはないしね」

ということは、私たちが食べてるタマゴも…。

 「半分以上は他県で生産されたタマゴということになる。県別だと新潟産と宮城産が多いのかな。県内産で頑張っているのは山田鶏卵(米沢市)、半澤鶏卵(天童市)、板垣養鶏場(寒河江市)あたりだね」
 「規模では県外の業者に劣るけど、3社ともエサを工夫したりして付加価値を高めたタマゴに力を入れてるよね。特に半澤鶏卵の『スモッち』は全国でも人気だし」

ガンバレ、県産タマゴ!