女性の美と健康/漢方薬(1)
正と負のイメージ
一般用漢方薬の分野で国内シェア首位のクラシエ薬品(東京)が全国560人を対象に漢方薬のイメージを聞いたところ、プラスの評価は「身体にやさしそう」「副作用がなさそう」「体質改善できそう」が上位3位を占めました。
一方、同調査でマイナスの評価だったのは「長い期間、服用しなければならない」「即効性がなさそう」「苦そう、臭そう」でした。

医療現場で脚光
いかがですか?おそらく皆さんが持たれているイメージと共通するのではないでしょうか。
そんな漢方薬が昨今、一般の医療機関で西洋薬と併用して使われたり、漢方外来や漢方クリニックなどが増えたりして、にわかに脚光を浴びているのです。
起源は中国、日本で発展
ご存知のように、漢方薬は中国伝来の医学の一種。古代中国で生まれ、日本には5~6世紀ごろに伝わりました。
日本の風土や日本人の体質に合わせて独自に発展・進化してきたのが漢方薬で、その意味で漢方薬というのは本家の中国には存在せず、メイド・イン・ジャパンの医学といえるでしょう。
ちなみに江戸時代、「漢方」の対義語として西洋医学の「蘭方(らんぽう)」がありました。
総合的な治療
漢方や漢方薬の基本は「人間の身体も自然の一部」「人間は大自然の中の存在」という考え方にあります。この考え方から西洋医学と違って局所的な治療は行わず、原因や症状、体質などを総合的にとらえた治療を行っていくのが特徴です。
「現代病」と呼ばれる様々な疾患が増える時代にあって漢方薬が脚光を浴びる所以です。


セントラルクリニック院長
村山 一彦
プロフィール
●(むらやま・かずひこ)1956年山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。