徹底して山形に密着したフリーペーパー

Let's know 脳!/脳と消化器系

2015年12月25日
 「ストレスで胃が痛む」「心配事があって下痢になった」といった経験はありませんか?実は脳と、胃や腸といった消化器の臓器は密接に関わり合っているのです。

胃の粘液と胃酸

 まず胃。胃の粘膜(ねんまく)から分泌される胃液には「粘液(ねんえき)」と「胃酸」があり、粘液は粘膜を覆って消化力の強い胃酸から胃を守っています。
 ところが、脳の障害によって粘液の分泌が減ったり、逆に胃酸の分泌が増えたりするケースがあります。この場合、胃は胃酸によるダメージを受け、粘膜障害や炎症、潰瘍(かいよう)などを引き起こす可能性が高まります。
 実際、頭部に外傷を受けたり、脳の手術を受けたりすると急性胃粘膜病変を発症しやすいことが報告されています。

Let's know 脳!/脳と消化器系

蠕動(ぜんどう)運動を阻害

 腸も同様です。消化を中心とした腸の働きも自律神経(交感神経と副交感神経)によって調整されていますが、脳のストレスでそのバランスが崩れると正常な蠕動運動がが阻害され、痛みや下痢などの症状を引き起こすことがあります。
 緊張で腹痛、下痢が生じる「過敏性腸症候群」や「機能性胃腸症」などの原因も脳にあると考えられています。

おう吐症状も

 脳の外傷や頭蓋(とうがい)内出血などの時はおう吐症状が出ることがあります。これは出血で生じた血腫(けっしゅ)が急激に増大することや炎症による脳のむくみにより頭蓋骨内で内圧が上がり、おう吐中枢のある脳幹が圧迫されることによって起こります。

脳検査の勧め

 このように脳と消化器系との関係は密接です。胃や腸に異変を感じ、内科医の診断を受けても異常が認められない場合、脳の検査も受けてみることをお勧めします。


Let's know 脳!/脳と消化器系
12/25

嶋北 内科・脳神経外科クリニック院長
福原 宗久
プロフィール
(ふくはら・むねひさ)1970年東京都生まれ。1996年私立獨協医科大学卒業。日本医科大学付属千葉北総病院・尾花沢市中央診療所・神栖済生会病院外科・北村山公立病院外科などを経て現職。消化器内視鏡学会・消化器病学会 ・外科学会所属。