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《おしえて!編集長》 今季の灯油価格は?

2015年10月23日
 これから朝晩の冷え込みが厳しくなると、出番を迎えるのが暖房用の灯油。今シーズンの価格はどうなるんでしょうか?またまた編集長に聞いてみました。
《おしえて!編集長》 今季の灯油価格は?

灯油価格ですけど。

去年よりは安く

 「結論から言うと、去年よりは安い。資源エネルギー庁の最新調査によれば、10月13日時点の灯油18リットル当たりの全国平均価格は1417円と去年の今ごろより501円安くなっている。県内も1274円で570円安い」

安くなった理由ってあるんですか?

理由は原油安

 「原油価格が下がってるからさ。去年6月まで1バレル(約160リットル)100ドルを超えていた原油価格はその後値下がりし、今では40~50ドルと半値以下だ」
 「原油から生産されるのがガソリンや灯油、軽油、重油などの石油製品。原油の値下がりで灯油はもちろん全石油製品が安くなってるわけだ」

どうして原油は値下がりしたんですか?

《おしえて!編集長》 今季の灯油価格は?
供給が需要を上回る

 「需要と供給のバランスが崩れてるんだよ。中国景気がおかしくなって需要が減っているのに対し、米国で『シェールオイル』という新原油の開発が進み、原油余りの状態になってるんだね」

ずいぶんグローバルな話になってきましたね。

6年ぶり安値 

 「山形市周辺で灯油価格の目安になるのは、石油製品販売会社『ジャオ』と山形市消費者連合会との間で決まる納入(購入)価格。価格は10月1日から翌年の3月31日まで適用される」
 「今季の価格はホームタンク用が1リットル当たり73円、ポリタンク用が同74円。昨季に比べ32円安く、6年ぶりの安値なんだって」
 「もっとも、この価格が3月まで不変というわけじゃない。実際、昨季も7回改定され、うち6回までが下げだった」

《おしえて!編集長》 今季の灯油価格は?

今シーズンはどうなるんでしょうね。

石油会社は値上げも

 「中国景気もすぐには回復しそうにないし、米国や中東の産油国にも減産の気配はないから、原油が急に値上がりするってことはなさそうだね」
 「ただ灯油にしろガソリンにしろ、値下がりが続いていただけに石油会社の採算は悪化しているらしく、最近は販売会社への出荷価格を引き上げているようだ。これに対しスタンドなど販売会社がどう対処するかが当面のカギだろうなあ」

《おしえて!編集長》 今季の灯油価格は?

競争激化の中で…。

 「山形市周辺に限れば、比較的仲がよかったスタンドに競争の波が押し寄せてる。台風の目は上山市みはらしの丘にオープンした『コストコ』の併設スタンドだ」
 「一般的なスタンドの灯油価格は1リットル60~68円。これに対しコストコは20日時点で52円。コストコに対抗してか市内でも高橋石油が20日まで53円で販売してた」
 「21日からは県内でも値上げの動きが出てきそうだけど、原油安と競争激化の中で先行きはどうなることやら」

そのあたりが結論ということですね。