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Let's know 脳!/治る認知症も

2015年8月28日
 一般的に認知症は治らない病気と理解されていますが、必ずしもそうではありません。適切な治療を施せば治る認知症もあるのです。

正常圧水頭症

 そのひとつが「正常圧水頭症」で、60歳以降に発症、特に70歳代に多く確認されています。推定患者数は人口10万人当たり約250人とみられています。
 原因は脳や脊髄の表面を循環している脳脊髄液の流れが悪くなって脳室に停滞し、脳を圧迫することで生じます。症状は歩行障害、もの忘れ、尿失禁などです。

Let's know 脳!/治る認知症も

早期発見が大切

 症状だけをみればアルツハイマー型認知症と似ていますが、シャント術と呼ばれる外科手術で脳室に溜まった髄液を取り除けば治癒は可能です。
 そのためにもCTやMRIで早期に発見することが大切です。

慢性硬膜下血腫

 高齢者に多い「慢性硬膜下血腫」は脳を包む硬膜と脳の間に血腫が溜まって脳を圧迫する疾患で、頭をぶつけるなどの軽い頭部外傷が原因の場合が多いのですが、原因となる外傷が思い当たらない(または思い出せない)こともあります。
 いずれにせよ頭蓋骨に小さな穴を開け、そこから溜まった血腫を洗い流すといった手術などで治癒は可能。この場合もCTやMRIが有効です。

ホルモン・ビタミン不足

 元気のみなもとである甲状腺ホルモンの不足や、ビタミンの不足によっても認知症のような症状は現れますが、これらは内科的治療によって症状を改善できます。
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 ご家族に認知症が疑われる方がいらっしゃった場合、あきらめずにすぐに脳神経外科か神経内科に相談することをおすすめします。


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嶋北 内科・脳神経外科クリニック医師
佐藤 篤
プロフィール
(さとう・あつし)1977年鶴岡市生まれ。2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て15年嶋北内科・脳神経外科クリニック開業。山大医学会学術賞、日本脳神経外科学会学術総会会長賞、日本脳腫瘍学会学会賞など受賞。脳神経外科学会専門医。