徹底して山形に密着したフリーペーパー

ファームドゥ(前橋市)社長 岩井 雅之 さん

2015年7月10日
岩井 雅之(いわい・まさゆき) 1954年(昭和29年)群馬県富岡市生まれ。東海大海洋学部卒後、ホームセンターのいせや(前橋市、現ベイシア)へ。94年に独立してファームドゥ設立農業資材販売店「ファームドゥ農援’S」や農産物直売所「食の駅」「地産マルシェ」の多店舗展開に乗り出す。現在、3業態を合わせた店舗数は31。モンゴルやミャンマーでの海外事業や太陽光パネルを使った植物工場も手がけており、年間売上高は80億円。6月24日に山形市表蔵王の県観光物産会館内に「食の駅 山形蔵王店」を開業。60歳。
ファームドゥ(前橋市)社長 岩井 雅之 さん

産直で市場流通に風穴を
   理念は農家の所得向上です

――「食の駅 山形蔵王店」が開業して2週間たちました。

東北初の「食の駅」

 「出足は好調です。地産地消を進める『食の駅』としては全国13カ所目ですが、山形はブランド力のある果実が多く、将来的には全国でも屈指の繁盛店になるという手ごたえを感じてます」
 「お客様もですが、周辺農家の関心も高い。開業前の説明会に来てくれた農家の方々は200人、うち100人が登録してくれました。魅力的な店舗作りに努め、登録農家を増やしていけば集客力はさらに高められると思います」
――東北初進出ですが、山形を選んだのは?
 「もともとは2015年に仙台市に出店する計画でしたが、それが諸々の事情でダメになった。そんな時に山形の物件を紹介されたというのが経緯です」
 「先ほども言いましたように、山形の最大の魅力はサクランボやラ・フランスなどの果実。ここを拠点に関東圏への供給や海外への輸出を拡大していきたい」

競争で業界活性化

――山形市や隣接する上山市にもJAや同業の産直施設がありますが。
 「もちろん承知していますが、あまり意識はしてない。あっちはあっち、こっちはこっち。産直施設は全国どこにもあるわけで、他所のこと気にしてたら全国展開なんてできませんよ(笑)」  
 「当然、競争にはなる。だけどそれによって業界は活性化するし、農家は有利な出荷先を選別できるメリットがある」
――企業理念に「農家の所得向上」を掲げられてますね。

農家が価格を決める

 「私自身が農家の3男に生まれ、農業の収益性の低さを肌で感じていました。『作ったから買ってくれ』『売ってやるから置いていけ』という市場流通の枠組みの中だといつまでも農家は受身の立場で儲からない」
 「『食の駅』では農家が価格を決める仕組みです。高く売るには品質を上げよう、付加価値を高めようと努力する。そうやって所得が向上すれば農家は自立できるようになり、地域も元気を取り戻せるはずです」
――なるほど。

座右の銘「論語と算盤」

 「日本だけじゃなく世界の農業を元気にしたい。太陽光パネルを活用した植物工場もその一環。そういう仕組みの中で農家を支援し、我々も稼がせてもらう(笑)」
 「私の座右の銘は渋沢栄一の著書名でもある『論語と算盤』。理想と利益を両立させながら世の中の役に立てればいいですね」