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《おしえて!編集長》 山形市が保育料値上げ!?

2015年2月27日
 いまだ独身のワタシですが、ふと周囲を見回すと子育てに追われるかつての友達もチラホラ。そんな子育て家族にとってビックリの話が…。なんと山形市内の認可保育園の保育料が4月から値上げされそうなんですって! 全国的に子育て支援の充実が叫ばれる中にあって、どうしてなの? 教えて編集長
保育料値上げってホントなんですか?
《おしえて!編集長》 山形市が保育料値上げ!?

2月2日に値上げ案

 「山形市が4月からの値上げを目指し、市議会3月定例会に条例案を提出しようとしているのは事実。だけど2月2日に市議会厚生常任委員会に値上げ案を報告して以降、負担が急増する世帯があることが知れ渡り、保護者らの間では蜂の巣をつついたような騒ぎになってるんだ」
 「時期も時期だよ。だいたい4月から値上げする案を2カ月前に出してくるなんて、誰が考えても性急だ。大幅値上げを考えるなら最低1~2年の猶予は欲しいわな」

値上げ幅って?

 「世帯収入によって違うんだけど、3歳未満児の場合、市の試算だと月額1000~1万1800円。でも家族構成によっては2万円を超える世帯もあるとみられる」

エー、エー、エー。

変わる算定基準

 「市の値上げ案の仕組みを説明しよう。まず4月から安倍晋三首相の看板政策のひとつ『子ども・子育て支援新制度』っていうのがスタートするんだ。これに伴って全国の自治体で保育料の算定方法が変わる。具体的には保育料の算定基準が従来の『所得税額』から『住民税所得割課税額』に切り替わる」
 「その切り替え作業に全国の自治体は追われているんだけど、山形市は11の階層に分けていた所得税額を17の階層の住民税所得割課税額に分けた(表)」
 「表を見れば、生活保護世帯と住民税が非課税の母子世帯を除く全世帯が値上げになる。最大は従来の『D2』から新しく『D2―3』になる世帯なんだけど…」

《おしえて!編集長》 山形市が保育料値上げ!?
月額だと1万8000円、年間だと21万6000円の負担増ですね。

年少扶養控除分もなし

「それで済みそうにないんだな。16歳未満の子どもがいる世帯に適用されていた所得控除(年少扶養控除)が廃止されたのが2010年。廃止に伴い所得税の階層が上がって保育料が上がってしまう世帯を救済するため、山形市では廃止後も年少扶養控除があるものとして計算していた」
 「4月からはその再計算も止めるっていうんだよ。だから子どもの数が多いほど負担が増える仕組みになるわけだ」

2万円超の世帯も

 「例えば夫は会社員、妻は自営で世帯収入が574万円とする。扶養対象の子どもは5人、うち1人が3歳児未満で保育園に通ってるとしよう」
 「現行の再計算後の所得税額は約3万6000円だから『D2』。でも市民税所得割額は約16万円2000円だから『D4』に階層が上がり、月額2万4800円の値上げになる」

保育料の値上げって、時代に逆行してません?

時代には逆行?

 「そういうことになるんだろうなあ。大半の自治体が切り替え作業に追われる中にあっても保育料は上げないよう腐心してるみたい。4月からの値上げを計画してるのは県内だと山形市だけみたいだし、東北の県庁所在地でも山形市だけだ」

《おしえて!編集長》 山形市が保育料値上げ!?

それなのにどうして?

増える自治体負担

 「『子ども・子育て支援新制度』の導入で市の負担は2億3500万円増える。このうち8000万円を利用者に負担してもらうというのが市の言い分。だけど新制度で負担が増えるのは全国どの自治体も共通だよね」

財政再建ありき?

 「要は財政再建を最優先させたってことだろう。そもそも保育料は国が定める基準額があって、子育てを支援する立場からほとんどの自治体が国の基準額より安く設定しているんだ。安くすればするだけ自治体の負担は増える」
 「山形市の場合、保育料は基準額の67%に設定してた。市の説明によればこの比率は県内では低い(=保育料が安い)方で、これを他市町並みの72%強にすることを目指したんだとか。ちなみに東北の県庁所在地では福島が77%、秋田と仙台が74%、青森が68%、盛岡が67%なんだって」

財政再建も大切でしょうけど

便乗値上げの感も

 「それは大切さ。値上げしても他の自治体に比べ突出して高くなるわけじゃない。財政再建を図るっていう考え自体は分からない訳じゃない」
 「ただ値上げの内容と表明時期に問題があるし、やっぱり今のご時勢に保育料に手をつけるのはどうなんだろうね」
 「削るなら他の分野もあるだろうし、新制度導入前のドサクサを狙った〝便乗値上げ〟みたいな感じもするし(苦笑)」

《おしえて!編集長》 山形市が保育料値上げ!?

保護者、全会派が異議

 「実際、保育園児の保護者で組織する市保育園保護者会連絡協議会(市保連)は猛反発、案の見直しを求める請願書を16日に市と市議会に提出したほか、見直しに向けた署名活動も始めてる」
 「その請願書には市議会全会派が紹介議員になった、つまり賛同したっていうから大椿事だ。議会事務局に聞いても『(こんな事態は)前代未聞』って驚いてる」

これからどうなるんでしょうか?

紆余曲折も

 「さすがに市も事の重大さに気づいて大わらわ。26日から始まる定例会までに見直し案を出すらしいけど、ドタバタの中でどんな案を出してくるやら…。定例会も紛糾必至だね」