徹底して山形に密着したフリーペーパー

<荒井幸博のシネマつれづれ> 安藤サクラ

2015年2月27日
2世俳優の枠超える
<荒井幸博のシネマつれづれ> 安藤サクラ
 映画誌「キネマ旬報」が創刊95周年を記念、120年の邦画史の中から男優と女優のベスト100を選んだ(左表)。故人が多いが、女優陣では若尾、富司、浅丘、岸のベテラン女優4人にまじり、特筆すべきは8位の安藤サクラだ。
     
 安藤は奥田瑛二・安藤和津夫婦の次女で、夫は柄本明の長男で俳優の柄本佑。2月18日に29歳になったばかりだが、2014年度キネマ旬報ベストテンで「0・5ミリ」「百円の恋」で主演女優賞に輝いている。
 12年度の主演女優賞「かぞくのくに」、助演女優賞「愛と誠」「その夜の侍」に続く快挙で、過去に20以上もの女優賞を獲得している実績の持ち主だ。
     
<荒井幸博のシネマつれづれ> 安藤サクラ
 「0・5ミリ」は姉の安藤桃子が原作・脚本・監督。一人暮らしの老人の弱みに付け込み家に住み着くが、家事と介護を誠心誠意尽くすという介護ヘルパーの役は、とぼけた味としたたかさ、可愛らしさを表現できる安藤ならではのもの。「百円の恋」では、ニートで自堕落な暮らしをしていたが一念発起しボクシングに打ち込むヒロインを演じたがどちらも本物と思わせる凄みを感じた。

 フォーラム山形で2月21日から「0・5ミリ」、28日から「百円の恋」が上映される。28日には安藤が舞台挨拶に立つ。  過日、安藤さんご本人にインタビューする機会に恵まれた。
 8位になった感想を聞くと「どうしたこっちゃい?と違和感を覚えましたが、女優である前に人として豊かでなければと改めて思いました」と地に足のついた答えが返ってきた。
 
 もはや2世俳優の枠を超えている。安藤を同時代に体験できる我々は幸せなのかもしれない。
 公開中の「娚の一生」でも出演場面は少ないながらも確かな存在感を示している。

<荒井幸博のシネマつれづれ> 安藤サクラ
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜夜15時)を担当。