徹底して山形に密着したフリーペーパー

<荒井幸博のシネマつれづれ> マエストロ!

2015年1月23日
聞け!俺たちの交響曲

 さそうあきらの人気コミック「マエストロ」を小林聖太郎監督が実写映画化。

<荒井幸博のシネマつれづれ> マエストロ!

 不況で解散した名門オーケストラに再結成の話が持ち上がる。集まったのはヴァイオリニストの香坂(松坂桃李)ら再就職先が決まらない負け組楽団員たちで、練習場は廃工場。
 再結成を企画した謎の指揮者・天道(西田敏行)は下品な言葉を連発し団員の反発を招くが、次第に天道の指揮に全員が引き込まれていく。だが香坂だけは天道の隠された過去を知り、さらに反発を強めていく――。

 先日、小林監督、主演の松坂さんと西田さんの3人にインタビューする機会に恵まれた。
 松坂さんの見事なヴァイオリンの演奏ぶりに話が及び、「過去に(ヴァイオリンは)触ったこともなく、1年ほど前から時間を見つけては練習してました」と松坂さん。西田さんは「(劇中で演奏される)『運命』も『未完成』も本当に弾いてるよう。指使いと弦使いはプロと同じ動き」と絶賛。小林監督は「プロのオーケストラの物語として妥協はできなかった」と舞台裏を語ってくれた。
 また26歳の松坂さんについて西田さんは「俳優として様々なものを吸収できる年代。同年代の中でも間違いなく先頭を走っている。経験を積んで50代になった時、全然違う映画やドラマができるはず」と高く評価していた。

 西田さんは26歳の1973年に青年座の公演で山形の地を訪れており、その時の色紙が七日町の某飲食店に飾ってあることを伝える。
 「当時は世の中は自分のために廻っているみたいな気分。何をやっても『君はいいねえ』『オモシロいねえ』と言われ、ちょっと天狗になりかかっていたころです」と笑わせてくれた。

 この映画の衣装を担当したのは真室川町出身のスタイリスト荒木里江さん。3人に荒木さんのことを尋ねると一斉に賛辞を並べてくれ、同県人として誇らしい思いをさせてもらいました。


<荒井幸博のシネマつれづれ> マエストロ!
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜夜15時)を担当。