山形の誇り/4年ぶりJ1復帰 ありがとう!モンテ


7日のJ1昇格プレーオフ(PO)決勝の千葉戦、東京の味の素スタジアムに集まった観客は3万5504人。うち1万人は山形側の応援席に。山形から駆けつけたサポーター、在京のモンテファン、これまでのモンテの戦いぶりにシンパシーを感じてくれたサッカーファン…。もちろん自分もゴール裏に陣取り、県民113万人の思いを背負い声援してきました。

その瞬間、スタジアムには大歓声が沸き起こり、誰かれ構わず抱き合うモンテサポーター。みんな泣いています。もちろん自分も涙が止まりません。
試合後の昇格セレモニー。自分は応援中ずっと巻いていたマフラーを石﨑信弘監督に手渡して感謝の気持ちを伝えました。握手をしに来てくれた山岸選手にはサポーターに共通する思いを伝えました。「山形に来てくれてありがとう」と。

今季の就任時、石﨑監督はJ1昇格を約束に掲げました。
まず去年までの攻撃的なサッカーで見落とされていた守備陣の再構築を目指したほか、運動量を増やすためにハードなトレーニングを選手に課しました。
以前に石﨑監督に指導を受けた選手は「あの時、きついトレーニングをしたから選手として長くやれた」と話しています。石﨑流のハードトレーニングが選手の基礎体力、そして運動量アップにつながったことは間違いないでしょう。
昨季に比べ失点は目立って減りましたが、それでも序盤は連勝ができず、なかなか波に乗れない状態が続きました。

途中、ケガ人が増えて守備を3バックに変更したところ、これがフィット!FW3人が前線からプレスをかけてボールを追い、両サイドハーフが守備に攻撃にと上下運動を繰り返す展開に持ち込むことで勝利のパターンを定着させました。
忘れてならないのがGK山岸選手の補強です。J1浦和レッズ一筋14年、元日本代表の山岸選手は心技体でチームをけん引してくれました。前述の通り、磐田戦の終了間際の劇的ゴールはサポーターの一生の語り草になるでしょう。

なかなか連勝できないモンテでしたが、シーズン終盤に3連勝。6位でPO圏内に滑り込み、4位磐田、3位千葉を下しての下克上です。長いシーズンのピークを終盤に持ってきた石﨑監督の采配には改めて頭が下がります。
悲願のJ1復帰を果たしたモンテですが、夢にはまだ続きがあります。日本1を決める13日の天皇杯決勝。相手はJ1リーグとナビスコ杯優勝の2冠王者、ガンバ大阪です。最強の王者が3大タイトル全てを取りに来る戦いです。
石﨑監督は就任時に「優勝したいんじゃ」と言いました。そうです、天皇杯の優勝が待っています。
サッカーのビッグタイトルが初めて「白河の関」を越えるかも知れない!山形で優勝パレードの感激を味わいましょう。

1975年南陽市生まれ。96年からモンテ応援団体「クラージュ」に参加、応援リーダーや会長を務める。現在はゴール裏応援団体連合「ULTORAS ACMY」代表。