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医学のうんちく/男性の生殖能力(中)

2014年11月14日
 前回に続き男性の生殖能力に関するお話です。長く生殖能力を保つためには――。

避けるべきはタバコ

 数あるタブーのうちでも喫煙は最も避けるべき生活習慣です。タバコには血管を収縮させるニコチンと酸素欠乏状態を起こす一酸化炭素、毒性の強いシアン化合物、催奇形性のあるベンツピレンが含まれています。

医学のうんちく/男性の生殖能力(中)

受精能力が低下

 精子はニコチン受容体を持っているため、ニコチンを認識すると受精能力が低下します。喫煙による酸化ストレスは精子のDNAを傷つけやすく、受精能力の低下や流産の増加を起こします。
 米バッファロー大学の調査研究によれば、タバコを大量に吸う男性の精子ほど受精能力が低下しているそうです。 

「精子を溜める」は×

 精巣において精子の元となる細胞から精子がつくられるには74日間を要します。射精しない禁欲期間が続くとつくられた精子はどんどん溜まっていき、同時に古い精子も滞留します。
 古い精子は動きが悪いため、精液全体に占める割合が増えると精子の運動率の低下につながるほか、精子のDNA損傷率が高いことが指摘されています。

2日に1回は射精を

 つまり禁欲生活が長いほど精子は劣化していくわけです。ではどれぐらいの頻度で射精すればいいのかですが、多くの研究によれば2日に1回の射精を心がけるのがいいようです。

携帯電話にも注意

 携帯電話で用いられる電磁波は比較的高周波のマイクロ波で、精子にも影響を及ぼします。携帯電話の使用時間が長いと精子数の減少、運動率の低下、奇形率の増加を認めます。
 精巣に近いほど影響が大きいので、ズボンのポケットには入れないようにしましょう。


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医学のうんちく/Y染色体のお話(中)
山形徳洲会病院長
笹川 五十次 (ささがわ・いそじ)
プロフィール
1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業。95年からHawaii州立大学医学部で「雄性細胞の核移植(不妊治療)」について研究。02年に「男子外性器異常の発症における分子生物学的解析」で「とやま賞」受賞。04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。