徹底して山形に密着したフリーペーパー

《おしえて!編集長》 どうなるどうする 急増する空き家

2014年9月26日
 全国的にも、ここ山形でも、居住者のいない「空き家」が急速に増えていることをご存知でしたか?なんでも背景にあるのは少子高齢化らしく、国や地方自治体も対応に頭を痛めているんですって。編集長、詳しく教えて!
そう言われてみれば、私の家の近所にも空き家がチラホラ…。
《おしえて!編集長》 どうなるどうする 急増する空き家

空き家率、過去最高に

 「そうだろ。空き家は全国的に右肩上がりで増えているんだ。総務省が5年ごとに実施してる『住宅・土地統計調査』によれば、2013年10月時点の空き家は約820万戸。5年前の調査に比べ63万戸増え、住宅総数に占める割合は13・5%と過去最高だった」
 「歴史的にみれば、高度経済成長が続いた1960年代の空き家率はわずか3%台。その空き家率は少子高齢化を背景に今後も上昇する見通しで、30年には25%、つまり4件に1件が空き家になるって言われている」

エー、エー、エー

背景に少子高齢化
 
 「山形も状況は同じ。都道府県別の空き家率をみると山形は10・7%で、宮城の9・4%、沖縄の10・4%に次いで全国3番目の低さなんだけど、これは震災の避難者に住宅を提供していることが影響してるらしい」

少子高齢化だとどうして空き家が増えるんですか?

 「まず人口が減ってるのに新築住宅は逆に増えているんだ。日本人ってホラ、新築志向が強いじゃん。だからハウスメーカーは新築物件をどんどん供給するし、国も景気浮揚を期待して住宅ローン減税を頻繁にやるから、必然的に空き家は増えちゃうよね」
 「あと子どもが独立して高齢者だけの家が増えてるだろ。その高齢者が施設に入ったりすると家は空いちゃうよね。子どもが家を相続したとしても、遠隔地に住んでたりして管理がままならないケースが多いんだ」

《おしえて!編集長》 どうなるどうする 急増する空き家

なるほど。

固定資産税もネック

 「空き家の所有者が使わなくなった家を解体すれば空き家は発生しないんだけど、実は解体して更地にすると固定資産税が6倍にハネ上がっちゃうんだ。それが嫌で空き家のまま放置している所有者が多いんだよ」

地域社会の崩壊にも

 「空き家が増えるとどんな悪影響が考えられるかだけど、雑草なんかが繁茂し、朽ち果てた家屋が幽霊屋敷みたいになって周囲の景観を損なう恐れがあるよね。倒壊の恐れだって出てくるし、野良犬や野良猫が住み着くことも考えられる」
 「犬やネコならまだしも、不審者が出入りするようになって犯罪の温床になる可能性だってある。極端な話、空き家がどんどん増え続ければ地域社会の崩壊にもつながりかねない」

どうすれば空き家問題を解決できるんでしょうか?

空き家条例が続々

 「空き家の所有者に適正な維持管理を義務づけ、応じない場合は強制撤去も辞さないという『空き家条例』を導入する自治体が全国的に増えていて、山形でも27市町村が導入済みだ。政府も『空き家対策推進特別措置法案』を秋にも国会に提出する予定とされる」

《おしえて!編集長》 どうなるどうする 急増する空き家

中古住宅として活用

 「ただこうした条例や法律では本質的な問題の解決にはなりそうもない。少子高齢化が進むという前提に立てば、空き家が中古住宅として再利用できるような環境を整えなきゃだよね」
 「さっき日本人は新築志向が強いって言ったけど、現実に新築と中古を合わせた住宅流通の中で中古の割合は13%強。だけどアメリカやイギリスだとなんと80~90%が中古なんだ。空き家問題の解消もあり、国もここへ来て中古住宅への再利用にようやく重い腰を上げ始めたんだよ」

ふ~ん

 「何をやろうとしてるかっていうと、第三者が中古物件の状況を調べるインスペクション(住宅診断)の普及促進だ。中古物件の価値や問題点を『ありのままに』公表することで売り手と買い手の間のトラブルを避け、適正な価格で取引されることを狙ってる」
 「こうした国の方針もあり、これまで中古住宅に関心がなかった不動産業界も空き家にビジネスチャンスを見出そうとしている」
 「『何がなんでも新築』『家の資産価値は20~25年でゼロ』といった消費者意識、業界意識を変えていかないことには空き家問題も解消しないんじゃないかな」