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<荒井幸博のシネマつれづれ> 舞妓はレディ

2014年8月22日
周防監督、構想20年

 「Shall we ダンス?」などの名作を手がけてきた周防正行監督が舞妓をテーマに撮った歌とダンスを交えたエンタテインメント作品。タイトルはオードリー・ヘプバーン主演「マイ・フェア・レディ」のもじり。

<荒井幸博のシネマつれづれ> 舞妓はレディ

 京都の小さな花街に「舞妓になりたい」という少女(上白石萌音)がやってくる。誰も取り合おうとしない中、言語学者の京野(長谷川博己)が鹿児島弁と津軽弁のミックス訛りに関心を示し、少女は晴れて舞妓の見習いになる。
 だが唄や舞踊の稽古、慣れない言葉遣いなど戸惑うことばかり。先輩舞妓(田畑智子)や芸妓(渡辺えり、草刈民代)らが心配する中、京野の弟子(濱田岳)から言われた「君には舞妓は似合わない」の一言で少女はついに声が出なくなってしまう――。 

 9月13日の公開を前に周防監督、上白石さん、渡辺さんがキャンペーンのため8月6日に山形市の料亭「四山楼」を訪れ、デビューしたての山形舞妓4人と先輩芸妓2人が踊りを披露して3人を歓迎した。
 周防監督は、「シコふんじゃった。」(1992年)の直後に本作に取り掛かろうとして酒田舞娘を調べに山形に来たことがあるそうだが、その後「Shall we ダンス?」(96年)、「それでもボクはやってない」(2007年)、「ダンシング・チャップリン」(11年)、「終の信託」(12年)とヒット作が続き、気がつけば企画から20年が過ぎていたという。

 その周防監督をして「この少女を待つための20年だったのではないかと思えた」と言わしめた上白石さんは800人の中から選ばれた16歳。純朴、可憐なうえに歌もダンスも見事でハマリ役。彼女を見ているだけで思わず微笑んでしまう。見事といえば、0・3ヘクタールの敷地に5カ月かけて作った花街のオープンセットもまた素晴らしい。
 映画館を出たあなたは思わず「まいーこはレディ♪」と口ずさんでいることでしょう。


<荒井幸博のシネマつれづれ> 舞妓はレディ
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜夜15時)を担当。