徹底して山形に密着したフリーペーパー

<荒井幸博のシネマつれづれ> GODZILLA ゴジラ

2014年7月25日
ゴジラと山形、東北

 「ゴジラ」がいよいよ7月25日に公開される。1954年11月3日に日本で初公開された「ゴジラ」が、60年の時を経てハリウッド映画で復活!
 日本初公開「ゴジラ」はその年の3月1日未明、米軍によるビキニ環礁での水爆実験で第五福竜丸が被曝した事件に着想を得て製作された。

<荒井幸博のシネマつれづれ> GODZILLA ゴジラ

 メガホンを執ったのは旧朝日村(現鶴岡市)出身の故本多猪四郎監督。「ゴジラ」は国内のみならず海外でも大ヒットした最初の日本映画で、「イシロー・ホンダ」の名は世界の映画人の尊崇を集める。ハリウッド版「ゴジラ」で渡辺謙さん演じる芹沢猪四郎博士の「猪四郎」は本多監督へのオマージュだろう。
 また初公開「ゴジラ」から18年にわたり着ぐるみを着てシリーズでゴジラを演じ続けたのが酒田市出身の中島春雄さん。動物園の象や熊を観察してゴジラの動きの参考にした話は有名だ。ハリウッド版「ゴジラ」はCGだが、重厚な動きや咆哮の様は中島ゴジラと酷似しているのが嬉しい。
 そしてシリーズの生みの親、特撮の故円谷英二監督は福島県出身であることを付記しておく。

 過日、渡辺謙さんにインタビューした際、日本版「ゴジラ」に関わるキーマンたちが東北出身であることを告げると「ボクも耐え忍ぶ雪国・新潟県の生まれです」と切り返してくれた。渡辺さんは続けて言う。
 「これだけ科学や文明が進歩しても人間にはコントロールできないものがあるし、(ビキニ水爆実験で)ボク達が持った恐怖は60年経っても変わらないことを福島原発事故で気づかされた」
 「もちろん娯楽映画として楽しんで欲しいけど、ゴジラの咆哮には葛藤のようなものがある気がする。『お前たちはこれでいいのか』と、逆にボク達がゴジラに叱られているような気にさせられます」
 渡辺さんは最後に「ゴジラを観て『東北は立ち上がれるんだ』という希望を持ってもらえると嬉しい」と被災地への想いを語ってくれた。


<荒井幸博のシネマつれづれ> GODZILLA ゴジラ
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜夜15時)を担当。