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<荒井幸博のシネマつれづれ> 渇き。

2014年6月27日
山形在住作家が原作
<荒井幸博のシネマつれづれ> 渇き。
 約1年前のやまコミ167号でも紹介したように、南陽市出身で山辺町在住の小説家・深町秋生さんのデビュー作「果てしなき渇き」を中島哲也監督が映画化した「渇き。」がいよいよ6月27日から公開される。
 元刑事・藤島(役所広司)は元妻から高校生の娘・加奈子(小松菜奈)が失踪したと知らされる。復縁を願う藤島は娘の行方を追うが、調べれば調べるほど優等生だと思っていた加奈子の知られざる素顔が浮かび上がってくる――。
 先日、中島監督、役所さんと小松さん、それに深町さんにインタビューする機会に恵まれた。
 
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 中島監督は「原作を最初に読んだ時は暴力に次ぐ暴力で悪夢のような小説という印象だったが、社会的には悪人でも本能的・動物的には人間味にあふれた登場人物たちじゃないかと思い直した。映画化すれば社会の制約が外れた時に人間はどういう生き物なのかが描けるんじゃないかと思った」という。
<荒井幸博のシネマつれづれ> 渇き。


 「台本を読んでこんな日本映画は観たことがない、藤島役は一生に一度できるかできないかの役だと思い、ぜひチャレンジしたいと引き受けました」と役所さん。

<荒井幸博のシネマつれづれ> 渇き。


 「監督からは自由にやりなさいと言われ、シーンごとに話し合って演じたので辛さは感じませんでしたが、ダイエットを命じられたことが唯一辛かった」と小松さん。

<荒井幸博のシネマつれづれ> 渇き。
 「映画化されると4年前に聞いた時は青天の霹靂(へきれき)で、3年前に中島監督にお会いしてもまだ半信半疑でした。実感したのは撮影を見学してから。映画のテイストは原作と若干異なり、明るくかつ豪快なロックンロール。傑作です」と深町さん。


 ちなみに中島監督と役所さんのコンビは「パコと魔法の絵本」以来で、こちらも原作者は山形市出身の劇作家・後藤ひろひとさん。今度は山形を舞台にした映画でコンビを組んでいただきたいものです。

<荒井幸博のシネマつれづれ> 渇き。
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜夜15時)を担当。