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<荒井幸博のシネマつれづれ> 相棒 劇場版Ⅲ 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ

2014年5月9日
3代目 成宮寛貴に期待

 「相棒 劇場版Ⅲ」がヒット中。副題「巨大密室!特命係 絶海の孤島へ」が示すように、舞台は太平洋に浮かぶ孤島。
 この島で男性の死亡事故が発生。事故調査と島にまつわる奇妙な噂を調査する密命を帯び、警視庁特命係の杉下右京と甲斐享が島に降り立つ。右京は事故死ではなく殺人事件と確信するが、そんな右京らを特殊部隊が襲撃する――。

<荒井幸博のシネマつれづれ> 相棒 劇場版Ⅲ 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ

 「相棒」は2000年6月にテレビ朝日系列の「土曜ワイド劇場」で放送されて好評を博し、02年10月から連続ドラマとしてシリーズ放送されている。
 水谷豊演じる主人公の右京は東大卒のキャリア警部。超人的な推理力・洞察力を持つが、手柄や出世には興味がなく、マイペースで融通が利かないため上層部から疎(うと)まれ、特命係という窓際に押し込められている。
 初代の寺脇康文、2代目の及川光博に続き、3代目の“相棒”をつとめるのが成宮寛貴。成宮演じる甲斐は警察庁次長の御曹司という出自とは裏腹に言動は荒っぽく、血の気も多いが、熱い正義感を秘めた青年。
 水谷の10歳下の寺脇は「がさつだが心優しき弟分的相棒」、及川は17歳下ながらクールで知的な共通点から「ライバル的相棒」だったが、30歳下の成宮になると「ヤンチャな息子的相棒」といったところか。

 「相棒」のように、タイプの異なる2人組を主人公に据えた映画が「バディムービー」。日本のバディムービーの決定版といえば舘ひろし・柴田恭兵の「あぶない刑事」にとどめを刺すが、個性の違う2人の実力が拮抗しているほどバディムービーは面白い。
 40年前、22歳の水谷はバディドラマの名作「傷だらけの天使」で当時スターだった萩原健一と組み、時には萩原以上の演技を見せてスターへの階段を駆け上がった。
 当時、水谷が演じたのは乾亨。成宮が今回演じるのは甲斐享。酷似した名前は偶然ではなく、水谷の成宮への期待の大きさの現われと思いたい。


<荒井幸博のシネマつれづれ> 相棒 劇場版Ⅲ 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜夜15時)を担当。