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医学のうんちく/男女で異なる五感(1)

2014年2月14日
 味覚、視覚、聴覚、嗅覚、触覚を五感と言いますが、いずれも男女差があることをご存知でしょうか?一般に女性は男性よりも感覚に優れ、視覚以外のすべての感覚で男性より敏感とされます。

女性は甘いもの好き

 まず味覚。味覚は「甘い」「酸っぱい」「塩辛い」「苦い」「うま味」の5種類に分けられ、人間は舌の表面にある受容体でそれらを感じ取ります。ノルウェーの研究チームは、大人ではすべての味覚で男性より女性が鋭く、味の識別も女性の方が優れていることを報告しています。
 最近では男性もスイーツを好むようになりましたが、スイーツ好きといえばやはり女性。米国エール大学の研究チームによれば、通常のミルクに糖分を加えて甘くした時、女の赤ちゃんは24%も多く飲みましたが、男の赤ちゃんは6%しか増えませんでした。

医学のうんちく/男女で異なる五感(1)
ラットも同様です

 ラットはもともと甘いもの好きで、水道水とブドウ糖水を与えると雄も雌もブドウ糖水を好んで飲みます。米国カリフォルニア大学の研究によれば、ラットでも思春期以降になると雌の方が雄より甘味に強い嗜好を示すことを報告しています。
 甘いものに対する雌ラットの嗜好性は、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが同時に働いていないと表れません。

ホルモンが影響か
 
 しかし、いったん甘味好きになると卵巣を摘除してホルモンが分泌されなくなっても甘味好きが続きます。ただ妊娠期間中や授乳期のようにエストロゲンよりもプロゲステロンが多い状態になると甘いものを好まなくなります。
 一方、大人になった雄ラットの精巣を摘除しても甘味好きにはなりません。
このようなホルモンバランスの違いが甘いものに対する嗜好に性差をもたらすようです。
 
「塩辛い」好む雌ラット

 雌ラットは塩辛いものに対しても強い好みを持ちますが、残念ながら人間ではこれに相当する観察例の報告はされていません。


医学のうんちく/男女で異なる五感(1)
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山形徳洲会病院長
笹川 五十次 (ささがわ・いそじ)
プロフィール
1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業。95年からHawaii州立大学医学部で「雄性細胞の核移植(不妊治療)」について研究。02年に「男子外性器異常の発症における分子生物学的解析」で「とやま賞」受賞。04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。