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手打水車生そば 五代目 矢萩 長兵衛さん

2014年2月14日
矢萩 長兵衛(やはぎ・ちょうべえ) 1947年(昭和22年)天童市生まれ。村山農業高校卒業後、江戸時代末期の文久元年(1861年)創業の天童市の老舗そば店「水車生そば」の5代目当主に。約30年前、そばの材料をベースにした独自のラーメン「鳥中華」を考案、鳥中華は今では山形のご当地ラーメンとして全国から注目を浴びる。天童市麺類食堂組合組合長、山形県麺類飲食生活衛生同業組合理事長も務める。66歳。
手打水車生そば 五代目 矢萩 長兵衛さん

鳥中華はそば屋のラーメン
 全国に広めたい山形の食文化――


――水車そばの鳥中華、ボクも大好きです。

まかない食だった鳥中華

 「最初はまかない食みたいな感じで出してたのよ、メニューにも載せてなくて。客に連れられてホステスさんやら芸者さんやらが店にくっけども、中にはそばが苦手だって人も結構いるったな。そんな人のために出しったっけのよ」
 「そばの材料使えば、ほら、ロスも少ないべした。スープはそばつゆをちょこっと工夫して、具には鳥そば用の鳥もも肉。それに刻みノリ、天ぷらを揚げた後の天かすなんかを載せて。つまり中華料理屋のラーメンじゃなく、あくまでそば屋のラーメンったな」
――天かすがいい仕事してるんですよねえ。
 「天かすが1番たいへんだっけのよ。家で天ぷら揚げた後の天かす使ってみろはあ、カリカリでスープになんかに溶けねえから。そごいくとそば屋の天かすはいい具合に溶けるし、いろんな風味がしみこんでるのよ」

5年前から大ブレイク

――メジャーになったのはいつごろからなんですか。
 「25年ぐらい前に地元の印刷会社が出したラーメンのグルメ本に取り上げられて、それからメニューに載せるようになったけの。5年ほど前には日本テレビのB1グランプリで6位さ入って、東京からもお客さんがくるようになったけのよ」 
 「少し前までは月4000食ぐらいだったんだげんど今では8000食から1万食、多い月は1万2000食かな。こんな売れ行きがいつまで続くか分がんねし、そば屋のラーメンにこだわってっがらのぼり旗もあげてないんだげんどね」

今年からカップめんも

――今年から明星食品が鳥中華のカップめんを全国販売します!
 「明星さんからは『水車そば』の名前を使いたいというありがたい申し入れがあったんだげんど、断ったのよ。今では多くのそば屋が鳥中華を出すようになってるし、俺は山形の食文化さ一石を投じたという思いで十分だっけの」
 「東京の人たちがそうやって盛り上げてくれるなら大いにやってけろと。それだけでおらだはもう『ありがとさん』ってなもんったな(笑)」

頭が痛い消費税

 「頭が痛いのは消費税問題。今は1食650円だけど、原材料も上がってるんで50円ほど上げたいとこだども、便乗と思われるのもやんだし…。まあ、頑張れるとこまではとも思うけんどね」