ドクター松本の医食同源(80)/キノコの効用
2013年10月25日
今回は秋の味覚の代表であるキノコの効用のお話です。
糖尿病や高脂血症に効果
食生活の欧米化に伴って糖尿病やその予備軍、また脂肪の過剰摂取による脂質異常症(高コレステロール血症)に悩む患者さんが増えていますが、キノコは糖尿病や脂質異常症の改善にとても好ましい食品なのです。

がんになりにくい体質に
まずカロリーがほとんどなく、たくさん食べても血糖値を上げません。むしろ食物繊維が豊富なので糖質や脂質の吸収を抑え、血糖値、コレステロールを上昇しにくくしてくれます。特にシイタケはエリタデニンというコレステロールを低下させる特有の成分が多いことが分かっており、より効果的と言えます。
糖尿病の人はそうでない人よりがんになる確率が2倍とされます。キノコでがんを予防できるとは言い切れませんが、キノコには抗腫瘍効果があり、がんになりにくい体質に貢献するとは言えるでしょう。
骨粗しょう症対策にも
さらにキノコにはビタミンDが豊富なため、食物中のカルシウムの吸収を促進し、骨粗しょう症を予防する効果もあります。小魚や乳製品などではカルシウムと同時にコレステロールの摂りすぎになることがありますが、キノコの場合は心配ありません。
インフルエンザにも
これからの時期はインフルエンザの流行が心配されますが、キノコにはβ(ベータ)グルカンという成分が含まれており、このβグルカンが免疫力を高め、ウイルスなどに対する抵抗力を強めます。
食べる順番は肉類や主食(ごはんなど)の前に野菜などと一緒に食べるのが効果的。意識しておかずの一品に追加するようにして下さい。


プロフィール
● (まつもと・みつお) 1985年山形大学医学部卒業。山形県立中央病院勤務の後、2007年5月に松本内科クリニックを開業。日本糖尿病学会認定糖尿病専門医、日本内分泌学会認定内分泌代謝科専門医。