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<荒井幸博のシネマつれづれ> 山形国際ドキュメンタリー映画祭

2013年10月25日
未だ残る感動の余韻
<荒井幸博のシネマつれづれ> 山形国際ドキュメンタリー映画祭

 「山形国際ドキュメンタリー映画祭2013」が閉幕した。

 16日までの開催期間中は厳選された209本の映画が上映された。
 「インターナショナル・コンペティション」「アジア千波万波」の両コンペの作品以外にも、昨年91歳で他界した映像作家クリス・マルケルの特集「未来の記憶のために」、映像作家が被写体に向き合う時に直面する倫理的課題を探求する「6つの眼差しと〈倫理マシーン〉」、東日本大震災被災地のその後を拾い上げた「ともにあるCinema  with Us 2013」、山形をドキュメンタリーで再発見する「やまがたと映画」などなど魅力的な作品がズラリ。
 これらが中央公民館、市民会館、フォーラム、山形美術館、山形まなび館で同時進行で上映され、しかもそれに伴うシンポジウムも開催されるが、身体は一つ。連日、各会場を回って朝から晩まで映画を観続けたが、17作品がやっとだった。
 観た映画やシンポジウムで感動や刺激を味わう一方、観逃したことへの悔いやストレスも溜まるのだが、それは市内の郷土料理店で関係者やファンが一体となって酒を酌み交わしながら語り合うことで解消できるのもこの映画祭の大きな特徴。

 私は開会式と閉会式で司会を務めたが、開会式ではNPO法人山形国際ドキュメンタリー映画祭の大久保義彦理事長からら「認定NPO法人」の認可が下りたことが報告され、市川昭男山形市長が祝辞で「今後も映画祭を経済的に支援し続ける」と明言してくれた。
 閉会式では、同映画祭の加藤到副理事長が「山形市が映像文化創造都市として国連教育科学文化機関(ユネスコ)から認定されるよう積極的な活動を始める」と力強く宣言し、2万人余りを動員した「山形国際ドキュメンタリー映画祭2013」は2015年に夢を託して閉幕した。
 世界が注目するこの映画祭が山形で開催される幸せを改めて感じた至福の一週間だった。


<荒井幸博のシネマつれづれ> 山形国際ドキュメンタリー映画祭
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜夜15時)を担当。