徹底して山形に密着したフリーペーパー

<荒井幸博のシネマつれづれ> 山形・映画の都に向けて

2008年6月13日
山形ゆかりの映画 続々と公開
<荒井幸博のシネマつれづれ> 山形・映画の都に向けて

 山形で映画熱がにわかに高まりをみせている。
 まず山形ゆかりの映画が続々と公開されていることに注目したい。春には鶴岡市出身の冨樫森監督の「あの空をおぼえてる」と藤沢周平原作の「山桜」が相次ぎ公開されたが、現在公開中の大人気ブログ小説の映画化「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」も原作者(ママチャリさん)は白鷹町出身だ。

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気を吐く「庄内映画村」

 映画のロケも盛んで、その中心になっているのが庄内地方での映画ロケを支援する株式会社の「庄内映画村」。「山桜」もそうだったが、9月13日公開予定の本木雅弘主演「おくりびと」、10月25日公開予定の綾瀬はるか主演「ICHI—その女、座頭市—」はいずれも庄内映画村がコーディネート役を果たしている。
 7月からは竹中直人監督・主演「YAMAGATA SCRAM」の撮影がスタートするほか、大物俳優の初監督作品やアイドル主演時代劇など、6作品ほどが撮影される予定。

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山形市で撮影「櫻の園」

 庄内に負けじと山形市でも2005年に「やまがたフィルム・コミッション」が立ち上がり、テレビドラマやバラエティ番組、CM撮影を数多く誘致、映画撮影も実現した。中原俊監督セルフリメイク作「櫻の園」がそれ。昨年春に山形市霞城公園、教育資料館、文翔館などで撮影を敢行、11月の公開が待ち遠しい。
 余談ながら、渥美清主演「喜劇・急行列車シリーズ」、フランキー堺主演「喜劇・旅行シリーズ」などでおなじみの大ベテラン、83歳の瀬川昌治監督も新作を山形県内で撮影したい意向と聞く。さわやかな青春映画を構想しているとのこと、その飽くなき情熱には頭が下がります。

映画祭も花盛り

 映画祭などのイベントも県内で花盛りだ。「伴淳百年祭」(米沢市、4月)、「第4回しらたか的音楽・映画塾」(白鷹町、8月)、「グリーンハウス想い出コンサート」(酒田市、9月)、「第5回ひがしね湯けむり映画祭」(東根市、11月)、「第7回山形自主制作映像祭」(山形市、同)といった具合。

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映画の人材育成 東北芸工大に期待

 こうして考えると山形は映画的活気に満ちているようだが、肝心の人材を育成する「映画を学ぶ場」がない。そんなことを思っていた矢先、東北芸術工科大学が来年4月に「映像学科」を新設するというニュースが飛び込んできた。
 「映画文化により山形を活性化させる」ことを目的に山形国際ドキュメンタリー映画祭、映画興行のフォーラムマルチプレックスシアターズとムービーオンの2社と連携するという。
 大学、映画祭、映画館の連携は前例のない新しい取り組みで、これこそ「映画の都山形」ならではのもの。映像学科長は根岸吉太郎監督。人材が育ってこその活気であり活性化。大いに期待したいものだ。