徹底して山形に密着したフリーペーパー

<荒井幸博のシネマつれづれ> 山形国際ドキュメンタリー映画祭

2013年9月27日
ここから羽ばたく監督たち
 「山形国際ドキュメンタリー映画祭2013」が10月10日から17日まで開催される。いくつかあるプログラムの中で、やはりメーンは「インターナショナル・コンペティション」と「アジア千波万波」の2つ。前者は世界117国・地域の1153作品から選りすぐった15作品。後者はアジア63国・地域の608作品から厳選した19作品。
<荒井幸博のシネマつれづれ> 山形国際ドキュメンタリー映画祭

  昨年「かぞくのくに」で国内の映画賞を総ナメにしたヤン・ヨンヒ監督は、05年に「ディア・ピョンヤン」でアジア部門特別賞を受賞。それ以前にも10年間で5回も山形に足を運んでおり「ドキュメンタリー映画祭は私の母校。山形は私を育ててくれたような街で大好き」と語っている。
 今年のカンヌ国際映画祭で審査員を務めた河瀬直美監督も「につつまれて」で95年の国際批評家連盟賞特別賞、「かたつもり」でアジア部門奨励賞を受賞した。
 河瀬監督はその後97年に「萌の朱雀」でカンヌ映画祭新人監督賞、07年に「殯(もがり)の森」で同映画祭グランプリ、09年には同映画祭で金の馬車賞を受賞するなど、今や世界的な評価を得ているが「山形は私の原点。ドキュメンタリー映画祭はカンヌに負けない映画祭です」と語っている。

 宮部みゆきの傑作ミステリー「火車」を昨年映画化し、韓国で観客動員200万人を超える大ヒットを記録したビョン・ヨンジュ監督も「ナムルの家」で95年にアジア部門小川紳介賞に輝くなど、山形馴染みの監督。
 10年「ブンミおじさんの森」 でカンヌ映画祭パルム・ドール賞を受賞したタイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督も01年のドキュメンタリー映画祭でインターナショナル・コンペティション優秀賞を獲得した。

 こうしてみるとドキュメンタリー映画祭から世界に羽ばたいていった監督は多い。今年はどんな監督や作品と出会えるのか――。考えると心が躍る。


<荒井幸博のシネマつれづれ> 山形国際ドキュメンタリー映画祭
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜夜15時)を担当。