あなたの目 健康ですか?/(66)検査機のエトセトラ
2013年9月13日
眼科に行くと様々な検査機がありますが、それぞれどんな機械で、どんな診察・診療に使われているのでしょうか?
一般的な細隙灯顕微鏡
最もポピュラーな検査機は「細隙灯(さいげきとう)顕微鏡」。顎を載せて診察するお馴染みの機械で、顕微鏡というだけに精巧なレンズの組み合わせで目の状態を拡大して診察します。
角膜上皮という細胞の状態を直接診たり、特殊な染色液で角膜上皮に傷がないかを診たりしています。ドライアイで眼科に行かれた方はこの染色液を用いた診察を受けられたかもしれませんね。
眼底検査の時にも観察用に使うレンズの度を変えることで目の奥の網膜の状態を拡大して観察しています。

角膜内皮細胞検査機
「スペキュラーマイクロスコープ」という検査機は角膜内皮細胞を診断します。この角膜内皮細胞は増殖しない細胞なので細胞が痛むと角膜が濁ったり、目の手術が必要な時に手術が行えないことがあります。
この検査機で白内障手術前後の方や長期にコンタクトを使用している方、角膜移植を受けた方などを診察します。
山形発のOCT
最近特に注目されているのが「OCT(光干渉断層計)」です。光で網膜の断面を診る検査機で、CT(コンピューター断層撮影)で体の断面が見られるように、OCTでは網膜の断面が見られます。しかもその網膜の断面がまるで顕微鏡のように見れるので加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、緑内障など多くの眼科疾患の診察に役だっています。
今では全国の眼科医療機関で幅広く導入されるようになったOCTですが、その原理を考えついたのは何と山形大学の丹野直弘教授!スゴいですよね。


プロフィール
● (たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。