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《セピア色の風景帖》 第六十回 元木の木橋

2013年4月26日
 かつては山形市鳥居ヶ丘の国指定重要文化財「石造明神鳥居(いしつくりみょうじんとりい)」から旭が丘に通じる道があり、2つの町を分ける「竜山川」には木橋が架かっていた。
《セピア色の風景帖》 第六十回 元木の木橋

 この道と並行して走るのが国道112号で、竜山川に架かるのが元木橋。その当時、車が通るのは元木橋、交通の激しい元木橋を渡るのが怖い自転車のお年寄りや、犬を連れた散歩の人がのんびりと渡るのはくだんの木橋といった役割分担があったようだ。
 木橋の北側には水神碑が祀られていたと記憶している。地元の人々が長らく竜山川の治水に苦労してきたことがうかがえ、それはそれで由緒が感じられた。
 実際にというか、皮肉にもというか、この木橋は平成七年の大増水の際に流失してしまった。

《セピア色の風景帖》 第六十回 元木の木橋
 大増水の後、周辺はしばらく手つかずのままだったが、やがて水害対策事業が始まると写真のような周辺の会社やアパートは撤去され、地元住民の歴史を刻んだ記念碑もまた姿を消した。今ではどこにあるのか所在さえ分明ではない。 (F)