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あなたの目 健康ですか?/(60)加齢黄斑変性

2013年3月8日
 先月、iPS細胞を用いた臨床研究が加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)の患者を対象に始まるというニュースが報じられました。その加齢黄斑変性とはどんな病気なのでしょうか?

国内失明原因の4位

 加齢黄斑変性とは目の網膜にある黄斑と呼ばれる部分の疾患です。物を見るうえで大切な黄斑に異常な新生血管が生じて歪(ゆが)みや視力低下を引き起こし、失明に至るケースもあります。
 欧米では成人の中途失明原因の第2位で、日本では緑内障、糖尿病網膜症、強度近視に続いて4位です。
 1998年に福岡県久山町で実施した調査では50歳以上の人の0・87%、日本人全体で換算すると37万人が罹患(りかん)していました。2007年に同じ調査を行ったところ、日本人全体換算で69万人と9年間で約2倍に急増していました。

あなたの目 健康ですか?/(60)加齢黄斑変性

加齢以外に生活習慣も

 この病気の原因は文字通り加齢によるものが大半ですが、それ以外にも紫外線による酸化ストレス、喫煙や食生活の偏りなど生活習慣も指摘されており、罹患して初期の人や罹患の可能性がある人には禁煙など生活習慣の改善を促します。また米国の大規模臨床試験で有効性が確認されたサプリメントを使用する場合もあります。

早期発見・早期診断を

 初期の症状は片目で見た時に視野の中心が歪んだり、暗く感じたりします。両眼が同時に罹患することは通常少ないので、大切なことは片目で確認することです。両目で見ていると気づかない場合があります。
 かつては治療が困難な病気でしたが、現在は新しい薬や治療法が開発されており、早期発見・早期治療が大事です。健診で黄斑部病変を指摘された場合には加齢黄斑変性の可能性がありますので眼科専門医を受診して下さい。


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院長 高橋 義徳
プロフィール

(たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。