ドクター松本の医食同源(74)/メタボと秋の味覚
芋煮はうまいけど…。
山形の秋の味覚といえば「日本一の芋煮会」で今や全国に知られるようになった芋煮。主役は柔らかいサトイモと牛肉、そして牛肉の脂と醤油がマッチした甘いおつゆ。これらの絶妙の組み合わせで何杯でもおかわりしたくなります。
ただサトイモは炭水化物を多く含むので糖尿病の方は血糖値が上がりやすくなりますから、ご飯の量を減らすなど注意が必要です。また美味しいおつゆもコレステロールで治療中の方は飲み干さないようにしましょう。
一般に1口大のサトイモ4個、牛肉3切れ程度の芋煮1杯で250~300キロカロリー前後になります。おかずの1品にする場合、おかわりは要注意です。

果実摂取の目安は?
山形はまたフルーツ王国。この季節はブドウ、カキ、リンゴ、ラフランスと次から次へと美味しい果物が登場します。ですが果物は糖質を多く含むので食べ過ぎれば血糖値が上昇してしまいます。 糖尿病の食事療法では果実の摂取量は1日当たり80キロカロリーが目安です。巨峰なら10粒程度、カキなら中1個、リンゴ、ラフランスなら中2分の1個に相当します。
果実は意識しないと1日80キロカロリーは簡単にオーバーしてしまいます。果物に含まれる果糖は中性脂肪を作る材料にもなり、高脂血症を悪化させる場合がありますのでご用心。
キノコは安心です
芋煮も果実も制限されてはお寂しいでしょうが、メタボを気にする方も安心なのがキノコ。
キノコはノンカロリーなのでマツタケは主食を食べ過ぎない限りお腹いっぱい食べても血糖、コレステロールに悪影響はありません。問題はお値段ですね。


プロフィール
● (まつもと・みつお) 1985年山形大学医学部卒業。山形県立中央病院勤務の後、2007年5月に松本内科クリニックを開業。日本糖尿病学会認定糖尿病専門医、日本内分泌学会認定内分泌代謝科専門医。