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あなたの目 健康ですか?/(53)プール後の洗眼

2012年8月10日
 夏休みに入り、お子さんにとってはプールの季節ですが、プール後の洗眼を巡ってちょっとした議論が持ち上がっているのをご存知でしたか?

従来の常識に「?」

 以前はプール後の洗眼は常識とされ、私たちが子どもの頃は痛いのを我慢して必死に目を洗ったものです。その常識に対して4年前の2008年、慶応大学眼科グループが発表した論文が疑問を投げかけたのです。

あなたの目 健康ですか?/(53)プール後の洗眼

目の表面を破壊

 論文の内容は「プールや水道水に含まれる塩素により目の表面の細胞が傷つき、目の表面のムチンも減少してバリアー機能が破壊されてしまう」というものでした。
 
洗眼は逆効果?

 この論文発表を受けてマスコミで「プール後の水道水による洗眼は逆効果」という趣旨の報道がなされ、学校現場が混乱するという一幕も。なにしろ学校保健法ではプール後の洗眼を指導するよう記載されているのですから無理もありません。
 こうした経緯もあり、4年後の今になってもご両親の方から「プール後の洗眼はいいの?」「ダメなの?」という質問をいただきます。

短時間なら有用
 
 結論から申せば、目の表面についた細菌やウイルスなどを洗い流すため5秒から10秒の短時間の洗眼は有用です。この論文では目の表面の細胞に対する影響を確認するため50秒という長時間の洗眼を行っており、5~10秒程度では影響は出ないと考えられています。

ゴーグルはお勧め

 洗眼といっしょにゴーグルについてもよく質問されますが、ゴーグルはプールに入っている間の目への刺激を和らげる効果があります。水中で目を開ける訓練以外にはゴーグルはお勧めです。


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院長 高橋 義徳
プロフィール

(たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。