あなたの目 健康ですか?/(51)円錐角膜
角膜が突出する病気
円錐角膜は角膜の中央が薄くなり、円錐状に突出する病気で、視力の低下を招きます。発症するのは思春期が多いとされ、男性の2000人、女性の3000人に1人にみられます。

進行すれば角膜移植も
発症するとこれまで眼鏡やソフトコンタクトで見えていたものが徐々に見にくくなります。視力が低下するのは角膜の突出により乱視が増えるためで、進行すると角膜の突出のために歪み(不正乱視)が大きくなり、角膜移植が必要になる場合もあります。
アトピーが原因?
原因は遺伝説、コンタクトレンズ説など様々ですが、アトピー性皮膚炎に合併しやすいということでは大方の見方が一致しています。アトピー性皮膚炎では円錐角膜以外にも結膜アレルギーや白内障、網膜剥離などの眼合併症がみられます。
ハードコンタクト治療
治療は専用のハードコンタクトレンズの装用。角膜の歪みのためソフトコンタクトレンズでは十分な視力は得られず、また通常のハードコンタクトレンズでは異物感が強く装用は困難なのです。
そこで円錐角膜用の特別なハードコンタクトレンズを使用、これにより以前は角膜移植をしなければならなかった程度の人でも矯正可能になるケースが増えています。
専門医に相談を
最近では、初期の円錐角膜でも「角膜形状解析装置」で診断することが可能です。
思春期のお子さんがいる親御さんは、お子さんが乱視の症状を訴えた場合や、アトピー性皮膚炎があって目に異常を訴えた場合は念のため眼科専門医に相談することをお勧めします。


プロフィール
● (たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。