ドクター松本の医食同源(71)/へモグロビンA1c
2012年4月27日
糖尿病の状態が良いか悪いかを判断する検査としてヘモグロビンA1cという検査があります。
血糖の状態を示す
この検査は1~2カ月間の血糖の平均を表すもので、日ごろの血糖の状態を判断するのに使われます。普段は不摂生している人が検査を受ける数日前だけ食事を減らしても、検査当日の血糖値はいくらか下がりますが、ヘモグロビンA1cはほとんど下がりません。

4月から基準変更
もともと日本糖尿病学会では5.8%未満が優、5.8~6.5%未満が良、6.5~7.0%未満が不十分、7.0~8.0%未満が不良、8.0%以上が不可と定めていましたが、この4月から基準が変更になりました。
新しい基準は優が6.2%未満、良が6.2~6.9%未満、不十分が6.9~7.4%未満、不良が7.4~8.4%未満、不可が8.4%以上です。
また糖尿病の診断基準も従来の6.1%以上だったものが6.5%以上に変わりました。
0.4ポイント上乗せ
新基準は数値だけみると従来より甘くなったという印象を受けますが、実際には自分の測定結果自体も従来より0.4ポイント高くなるため、甘くなったわけではないのです。正常値、基準値、自分の測定結果等すべてが0.4ポイント上方にスライドした状態で判定されます。
1年は新旧を併記
念のため混乱が生じないように、1年間は従来の測定値、新しい測定値がわかるように併記することになっています。ただし特定健診は今年度まで従来の測定値だけが使用されますので注意してください。


プロフィール
● (まつもと・みつお) 1985年山形大学医学部卒業。山形県立中央病院勤務の後、2007年5月に松本内科クリニックを開業。日本糖尿病学会認定糖尿病専門医、日本内分泌学会認定内分泌代謝科専門医。