あなたの目 健康ですか?/(48)緑内障
2012年3月9日
緑内障は何らかの原因で目の神経(視神経)が侵されて視野が狭くなる病気です。日本では失明の原因の第1位がこの緑内障なのです。恐ろしい病気ですが、70歳以上の10人に1人、40歳以上の20人に1人が罹患(りかん)しているとされています。
失明原因の第1位!
目には約120万本の神経線維があり、それが徐々に侵されていくのが緑内障。一定以上の神経が侵されると視野異常を自覚するようになりますが、初期の段階では脳が視野異常を補うので自覚症状はあらわれません。

気付いた時は「中期」
実際の生活の中で気付くような視野異常があらわれるのは緑内障を発症してからすでに5~10年が経過した中期で、この段階で120万本あった神経線維は60万本以下に減っています。
しかも減ってしまった神経線維は元には戻りません。同じ目の病気である白内障は視力が低下しても手術で回復できますが、緑内障で下がった視力は元には戻せません。
早期発見・早期治療を
ですので、緑内障で一番大切なことは早めに気づくことなのです。現在は点眼療法も進歩しており、早めに発見して点眼治療を続ければ失明は避けられます。
ただ、先に述べましたように自覚症状があらわれた時にはすでに中期で、視野障害はかなり進んでしまっています。早めに気づいてほしいのですが、気づけないのが緑内障なのです。
大切な定期検診
そのために重要なのが検診です。緑内障は年齢とともに増加していきます。特に40歳以降に増えてきますので40歳を過ぎたら定期的に眼科検診を受けることをお勧めします。家族に緑内障の人がいる場合や、極度の近視の人は緑内障発症のリスクが高いとされますのでご注意を。


プロフィール
● (たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。