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村田先生の消化器系のお話/B型慢性肝炎

2012年2月24日
 前回はB型急性肝炎でしたが、今回は同じB型肝炎の慢性肝炎。肝機能障害が6カ月以上続いている状態を(B型)慢性肝炎といいます。

 前回の復習です。免疫力がない新生児や乳幼児がB型肝炎ウイルスに感染するとウイルスを体内に抱え続ける「キャリア」になり、このキャリアの血液や体液が身体の中に入ることで感染するのが急性肝炎でしたね。

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 キャリアの人の数は国内で約140万人。大半はキャリアの母から生まれた人で、出産時に産道出血により感染するケースがほとんどです。
 キャリアの人の場合、10代後半から20代前半までは肝機能は正常ですが、その後に肝機能の異常が出現します。それでも80~90%の人は30歳前後に肝機能は正常化して「無症候性キャリア」になりますが、残る10~20%の人は肝機能異常が持続して慢性肝炎になります。
 慢性肝炎とは、排除しきれないウイルスを排除しようと肝細胞の破壊と再生が繰り返される結果、肝臓の機能が損なわれる症状のことで、年に約2%の割合で慢性肝炎から肝硬変に進展します。肝硬変からは、年に3~5%の割合で肝がんに至ります。
 治療はウイルスを身体から排除することが第一ですが、排除できなかった場合は慢性肝炎から肝硬変への進展をできるだけ遅らせ、肝がんの発症を減らすことに主眼が置かれます。そのためインターへロン療法や漢方薬の投与などが行われます。
 通常の日常生活でB型肝炎ウイルスに感染する事はありません。肝機能が正常な方でも、無症候性キャリアである可能性は否定できません。一度B型肝炎ウイルス感染の有無を調べてみてはいかがでしょうか?


村田先生の消化器系のお話/B型慢性肝炎
村田先生の消化器系のお話/B型慢性肝炎
院長 村田 光太郎
プロフィール

(むらた・こうたろう) 1963年上山市生まれ。山形東高から山形大医学部へ。卒業後、山大病院、東北中央病院、県立中央病院、寒河江市立病院などを経て2009年4月に山形市十日町で村田内科医院を開院。