徹底して山形に密着したフリーペーパー

「よみがえりのレシピ」監督 渡辺 智史 さん

2012年2月10日
渡辺 智史(わたなべ・さとし)1981年(昭和56年)鶴岡市生まれ。鶴岡南高校から東北芸術工科大学に進み、東北文化研究センターで民俗映像制作に参加。卒業後、上京して映画製作会社「アムール」に入社、映画監督の飯塚俊男氏に師事。2本のドキュメンタリー映画の撮影を担当した後にフリーとなって郷里に戻り、2008年「湯の里ひじおりー学校のある最後の1年」、10年「よみがえりのレシピ」で監督。30歳。
「よみがえりのレシピ」監督 渡辺 智史 さん

食と農業の豊かな関係
  映像で伝え地域活性化に――

――若いんだねえ。
 「話題の東北芸術工科大の卒業です(苦笑)」
 
在来作物をテーマに

――で、「よみがえりのレシピ」が2作目の監督作品なわけね。
 「この映画は外内島(とのじま)キュウリ、だだちゃ豆、山形赤根ホウレンソウなど県内各地に残る在来作物がテーマです。在来作物には味や香りのほか昔からの栽培方法、調理法があり、いわば貴重な地域資源なんですね」
 「でもそれを継承する人がいなかったり、大量生産・大量消費の時代にあわなかったりしている。そんな在来作物の価値を再発見し、地域や農業を活性化させたいという思いで撮りました」
――難しそうなテーマだけど、お客さん入ってるもんねえ。
 
県内各地で上映続く

 「自分が鶴岡出身でロケも庄内が多かったせいもあるでしょうが、昨年11月中旬に鶴岡で2週間上映したところ評判がよくて1週間延長になり、それでも足りないということで年末から年始にかけて再上映されました」
 「鶴岡ほどではないにしろ11月上旬に上映された山形での反応もまずまず。2月25日から3月8日にかけては米沢、3月24日と25日には酒田でも上映します」
――食とか農業とかには以前から興味が?
 「やっぱり山形で生まれ育ったせいでしょうか。次の作品もまだ詳しくは言えないんですけど、遺伝子組み換え作物に絡むテーマを漠然(ばくぜん)とは考えてます」
――職業は映画監督になるんだよね。
 
職業は映像作家

 「映像作家ということにしてます。映画監督だと映画会社に所属するイメージで、まあ、そうじゃない自称映画監督も多数いますけど(笑)。尊敬するドキュメンタリー監督もみんな映像作家にしてるので」
――ずっとドキュメンタリーでいくわけ?
 「基本そうですね。でもボクが撮りたいような自主ドキュメンタリー、つまり自分でテーマを決めて問題提起するようなジャンルだとスポンサー集めが大変で……。」
――スポンサー集めってどうやって?
 「企画書つくって個人や企業を1件1件訪問します。たいがい門前払いですけど(苦笑)」
 
苦労もいとわず

――若いのに厳しい仕事を選んだもんだね。
 「自分的にはもっとアウトローっぽい人生に憧れてたので、意外にまともな仕事に就いたと思ってますけどね(笑)」