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ドクター松本の医食同源(70)/「ヘモグロビンA1c」って?

2012年2月24日
 糖尿病の状態が良いか悪いかを判断する手段として「ヘモグロビンA1c(エイワンシー)」という検査があるのを御存知ですか?

血糖値だけでは不十分

 通常、糖尿病の状態を測るには血糖値が用いられますが、その値はいろんな条件で変化し、血糖値だけで良否を判断するのは実は困難なのです。
 例えば普段は不摂生な食生活の人が検査前の数日間だけ食事を減らせば当日の血糖値はいくらか下がりますが、普段の血糖が良い状態というわけではないですよね。
 そこで用いられるのがヘモグロビンA1c。これは過去1~2か月の血糖値の平均で、2~3日食事を減らしたぐらいでは変化はなく、普段の状態が良いか悪いかが判明します。

ドクター松本の医食同源(70)/「ヘモグロビンA1c」って?

ヘモグロビンの性質

 ヘモグロビンA1cまでは御存知なくともヘモグロビンはお聞きになったことがあるでしょう。ヘモグロビンは血液の赤血球に含まれているたんぱく質で、酸素と結合して酸素を全身に送る役割を果たしています。
 このヘモグロビンは血液中のブドウ糖と結合する性質があり(これがヘモグロビンAlc)、血管の中を循環していく過程でどんどんブドウ糖と結合していきます。
 血液検査の結果、ヘモグロビンA1cの値が高かったとすれば、それだけ血液中に余分なブトウ糖が溢れ、ヘモグロビンと結合したということなのです。
 
血糖状態を的確に示す

 というわけで、このヘモグロビンA1cという数値、決して侮れません。過去1~2カ月の血糖状態を示しているわけで、血糖値よりも正確な血糖状態を教えてくれる指標なのです。血糖値はあくまで血液検査をした時点での血糖状態にすぎないのですから。
 余談ですが、日本と海外ではヘモグロビンA1cの基準に若干の違いがあることが判明、今年4月から海外基準に統一されることになりました。


ドクター松本の医食同源(70)/「ヘモグロビンA1c」って?
ドクター松本の医食同源(70)/「ヘモグロビンA1c」って? 
院長 松本 光生
プロフィール

(まつもと・みつお) 1985年山形大学医学部卒業。山形県立中央病院勤務の後、2007年5月に松本内科クリニックを開業。日本糖尿病学会認定糖尿病専門医、日本内分泌学会認定内分泌代謝科専門医。