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村田先生の消化器系のお話/A型肝炎

2011年12月23日
 A型肝炎ウイルスは全世界に分布しています。感染力は強く、ウイルス性急性肝炎の原因としては約40%と最も高くなっています。

生の海産物に注意

 口から侵入するため、衛生状態が悪いと感染しやすく、上下水道が整備されている先進国での発生頻度は低いのですが、日本ではカキや海産物を生で食べる事による感染が多くなっています。

村田先生の消化器系のお話/A型肝炎

感冒症状、採血で判明

 通常、感染しても2~6週間は症状がなく、その後に発熱、食欲不振、全身がダルいといった感冒症状が現れます。身体に黄疸が出る場合もあります。採血すればGOT、GPTなどの値とA型肝炎ウイルスに対する抗体の値が高くなっており、A型肝炎と診断ができます。

感染のメカニズム

 身体に入ったA型肝炎ウイルスはまず血流に乗って肝臓に到達、ここで増殖して胆汁中や血中に放出されます。胆汁中に放出されたウイルスは大半は便として体外に放出されますが、一部は腸管の中に残ります。体内のウイルスの量は症状が出るころが最大で、その後は減少していきます。

安静が治療の基本
 
 治療は入院して安静にすることが基本です。これで大半は改善し、特に小児の場合は比較的簡単に治癒しますが、高齢者になると重症化するケースもあります。重症化した場合には急性腎不全を併発したりすることもあります。
 ただA型肝炎そのものは慢性化することはなく、いったん治れば免疫ができるため、再び罹患(りかん)することはありません。
 
発生しやすい地域

 A型肝炎が発生しやすいのはアフリカや東南アジア、中南米といった地域。出張や旅行などでこれらの地域を訪れる時は原則として水道水や生の野菜・魚介類は避けた方がいいでしょう。


村田先生の消化器系のお話/A型肝炎
村田 光太郎(むらた・こうたろう)

1963年上山市生まれ。山形東高から山形大医学部へ。卒業後、山大病院、東北中央病院、県立中央病院、寒河江市立病院などを経て2009年4月に山形市十日町で村田内科医院を開院。