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あなたの目 健康ですか?/(44)近視の進行は止められる?

2011年11月11日
 今回は近視の進行を防ぐお話です。
網膜異常の防止にも
 
 日本人の40歳以上では360万人が強度近視、いわゆる度の強い近視です。強度近視の場合、網膜はく離や黄斑変性(おうはんへんせい)など網膜の異常を合併する比率が高まります。網膜異常の確率は近視が強くなるほど高くなるので近視の進行を止めることには意味があります。
あなたの目 健康ですか?/(44)近視の進行は止められる?

進む原因解明

 最近の研究で、なぜ近視が進むのかが明らかとなりつつあります。「調節ラグ(網膜後方へのピントボケ)」と「網膜周辺での焦点ズレ」です。
 なかでも網膜周辺の焦点ズレを少なくして近視の進行を抑制する治療が実用化されつつあります。それが専用設計の眼鏡レンズとオルソケラトロジーです。
 
ズレを少なくする眼鏡

 通常の眼鏡レンズで矯正した場合、網膜の中心には焦点ズレがないのですが、周辺ではどうしても焦点ズレが生じてしまいます。このズレを少なくした専用設計の眼鏡レンズが海外では近視の進行を年間30%抑制するということで実際に使われています(日本ではまだ使用されていません)。
 
オルソケラトロジー

 オルソケラトロジーは以前とりあげたこともありますが、寝ている間に専用のコンタクトを装用して日中は裸眼で過ごす近視矯正法です(日本でも近視矯正法として行われています)。
 このオルソケラトロジーによる近視矯正は単に近視を矯正するだけでなく網膜周辺での焦点ズレを減らす効果もあり、近視の進行を抑制することがわかってきました。現在、日本でもこの2つの方法の近視抑制効果が大学病院などで科学的に検証されているところです。

技術は日進月歩

 以前は困難と思われていた近視の進行抑制が現実に近づいてきました。


あなたの目 健康ですか?/(44)近視の進行は止められる?

高橋 義徳(たかはし・よしのり)

1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。山形県アイバンク理事。